リサイタル本番直前に、非常に深刻な事態に巻き込まれた。
リサイタル中止を考えた。3日間、迷った。

でも、今リサイタルを中止するならば、それは私自身を失う事でもある。
私自身にとって逃げる事は、立ち向かって倒れる事よりも遥かに屈辱的であり、それは私の生き方では無い。
ベターよりもべストを選択する事に決めた。

リサイタルのための休日が1日減り、休日を2日にしなければならなくなった。
リサイタル直前のピアノ合わせは、予定変更によりミルヒー先生は来られなくなった。
この3日間喘息症状も不安定で、今日勤務の合間に強いステロイド剤の点滴治療を受けた。
全ての状況は芳しく無く、私に味方してくれないが、私自身の力と意思で切り抜け乗り越えなければならない。

不眠・不休で勤務が続いてのリサイタルまで、私に与えられた時間は僅かしか無い。
でも、リサイタルで歌うと決めた以上、例え最悪リハーサル無しでも歌う覚悟は出来ている。
それだけの準備はして来たつもりだ。
今の私が持っているものは、決断力と強固な意志だけ。

でも、以前このブログにも書いたけど、
「神様は、その試練を乗り越えられる人にしか、与えない」
そう信じるしかない。

ついさっき、ミルヒー先生からメールが届いた。

「お仕事大変ですね。予定が入っているため(最終ピアノ合わせに)伺う事は出来ませんが、先日のレッスンであなたの歌はバッチリでしたので、自信を持って伴奏合わせをしてください。(リサイタル本番)楽しみにしています。」

今の私には、祈る事と歌う事しか、出来る事が無い。
でも、ミルヒー先生のメールで、やっぱり歌う事だけは何があっても絶対に諦めない、そう誓った。

不眠と疲労と神経衰弱との戦いの、ラスト・スパート。