23日、休日でスタジオ練習に行った。
風邪はひいていなかったが、青森行きからの蓄積疲労と精神的緊張とストレスで、声がガラガラだった。
殆ど声を出す事が出来なかった。こんな事は、久しぶりだった。それでも、レッスンや演奏会が無いせいか圧迫感が無く、今日は声は出なくても別にいいや、という気楽さがあった。これも久しぶりだった。
その代わり、ベートーベン、シューベルト、シューマンの歌曲16曲の譜読みをした。きちんとした発声で歌うのでは無く、音取り・譜読み程度で良いからゆっくり休みながら、無理しないで練習した。疲労やストレスは、こんなにも声がでなくなってしまうものなんだと、本当に久しぶりに実感した。想えば、去年ウィーンでのレッスンを決めた時から全速力で走り続けて来た。体調や喉が不調な事などあってはならない事だった。しかも、今回の親父の事で相当参っている自分を改めて自覚した。

シューベルトは、歌っていてとても楽しかった。こんなに緊張無く楽しく歌うのは本当に久しぶりだった。こんなに気楽に歌ったのは、最後いつの事だったのか忘れてしまった。
シューマンは歌っていて懐かしかった。特に「献呈」は5年くらい前演奏会で歌った事もあり、久しぶりに歌える喜びが大きかった。去年、谷岡先生にシューマン「リーダークライス」を数曲レッスンを受けた時よりも、自然な感じでシューマンを歌えているような気がした。今年「クララ・シューマン〜愛の協奏曲」の映画を観に行った時には、シューマンの歌曲をどう演奏したら良いのかすっかり分からなくなってしまっていた。でも、その大きな迷いすら思い出せないくらい、何となくしっくりシューマンが身に染みるように譜読み出来た。

頑張らなくても良い事に少しだけホッとする。

明日も休日だ。本当は、明日は今年最後の休日なので谷岡先生のレッスンを受けたかったのだが、それももう余り無理したくない。
親父の件で、来年はウィーンには行けないかも知れない。ウィーンに行けないのなら、無理して突っ走って我武者羅に練習しなくたって、いいだろう。たまには諦めなきゃならない事だってあるんだよな、と思ったら、今までただただ只管に頑張って突っ走って来た自分自身が、とても愚かで哀れに思えて来て何だか悲しかった。

苦しみや悲しみは、自分にしか分からない。他人が理解出来る筈が無い。だから、もういい。



今日、フィギアスケート日本選手権を観た。
真央ちゃんが、帰って来た。
真央ちゃんがショートプログラムでリンクに滑り出て来たその瞬間から、ずっと手を合わせて祈っていた。
神様、
真央ちゃんが、トリプルアクセルジャンプを跳ぶ事が出来ますように。
真央ちゃんが、バンクーバー・オリンピックに行けますように。
グランプリ・ファイナルに出場出来なくて、この2ヵ月間、本当にどんな想いだっただろう。
ショートプログラムを滑り終わって、真央ちゃんから笑顔が見えた時、私にも涙が零れた。
苦しみは、やっぱり乗り越えるためにあるものなんだなあぁ、と思う事が出来た。
今、自分が苦しい中で喜ぶ事が出来て良かった。
真央ちゃんから、ほんの少しだけ、元気と勇気を頂いた。


私も、来年は駄目でも、その次の年はまたウィーンに行く事が出来るだろうか。
ウィーンで撮った写真、コンチェルトハウスと市民公園のベートーベンの像を見ながら、涙が止まらない。

明日も、練習に行こうと思う。


終ってしまってガッカリしていたのに「のだめカンタービレ」が再スタート!!!オペラ編、しかもモーツァルトのオペラ「魔笛」を、千秋がライジング☆スターオケで指揮して、峰が演出家、高橋君がコンマス、清良や黒木君(ターニャ連れ)真澄ちゃんやや菊池や沙悟浄や萌・薫姉妹も集まり、でも「魔笛」のパミーナ役がブー子こと菅沼沙耶・・・(笑)
楽しみが一つ増えた♪