今日は夜勤の合間の休日。スタジオの正月休業も終ったのでスタジオ練習に出掛けた。


夜勤の合間の休日とは言っても、今月は日勤はたったの3日。後の勤務は全て夜勤である。
去年12月に脳出血で倒れ現在寝た切り状態の親父の入院治療費と、親父が残した借金と、青森の借家の処理費用を、親父の年金と私の給料から捻出しなければならなくなってしまった。そこでやむなく夜勤専門看護師に勤務形態を変更してもらった。
親父の年金は親父の入院治療費と、入院食費と、オムツ代と洗濯代にほぼ消える。親父の年金の僅かな残りの金額と、私の夜勤手当を全て借金返済と借家処理費用に充てなければならない。それでも完済までに3年はかかるであろう借金。
そういう訳で、暫く当分の間夜勤専門で働く。日勤業務に戻れる目途は立ってない。
夜勤で何が一番困るのかというと、睡眠不足は非常に声帯の調子を損なう大きな要因だという事である。しかも、病院で患者さんの急変や死亡は、何故か大抵夜勤帯が多い。睡眠不足の上に疲労も取れない。
当然、歌うには最低最悪の環境となる。
自宅にいる時間は、もはや休養を取る事に集中しないと、練習する事自体も難しい状態である。自宅で譜読みや楽譜作りに費やす体力は、今の私には欠片も存在しないのだ。
無論、先生方のレッスンを減らさざるを得ないであろう。
数ヵ月後、夜勤生活に慣れれば多少元通りの練習・レッスン形態に出来るかも知れないが。


真面目に、人生とは不当であり、人間とは不公平な生き物だと想う。


そういう訳で、今日からはドイツ・リートの練習とモーツァルト「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラの練習を再開した。
例えこのような事情でウィーンにレッスンに行く事が不可能だとしても、練習まで諦めてしまう事だけは絶対にしたくない。取り敢えず、ウィーンのB先生にレッスンを受ける予定のシューベルト、ウィーンのN先生にレッスンを受ける予定のベートーベンのイタリア語歌曲とモーツァルト「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラを練習始めた。
昼夜逆転の疲労困憊の割には、最近只管眠る事を心掛けているせいか、喉の調子は悪くは無かった。高音域も2点Hまで出たし♪でも、やはり歌い続けていると声帯の疲労は以前よりも早いな、と実感した。
ベートーベンのイタリア語の歌曲「In questa tomba oscura」「Liebesklage」は、曲に慣れて曲の流れを掴む所から始めた。ベートーベンの歌曲はとっても難しい。シューベルトよりも歌い辛い。オペラアリアに近い感覚もあるし、曲中の転調もあり、それがまたシューベルトの歌曲とも随分違う。2曲とも2ページの短い歌曲だが、恐らくシューベルトの歌曲よりも時間がかかると考えている。
シューベルトの歌曲は「Fischerweise」「Lied der Mignon」「Du bist die Ruh」の3曲をと思ったが、「Du bist die Ruh」の高声用は、ちょっと通して歌ってみたが結構音域が高い。最高音2点Aが2度出てくるので、これは中声用にキーを下げる事にした。恐らく、ウィーンのB先生はこの曲を中声用に下げるように言われる事だろう。去年ウィーンに行った時にレッスンを受けたシューベルト「トゥーレの王」と同じだと推測する。そういう訳で、今日は「Du bist die Ruh」は練習せずに、他の2曲だけ練習した。「Fischerweise」「Lied der Mignon」は、歌い込んで慣れればイケると想った。これから地道に練習を続けて行く。自分で望んでいるテンポで通して歌えるようになったら、谷岡先生のレッスンに持って行くつもり。

モーツァルト「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラのアリア3曲は、非常に困ったというか驚いたというか(超苦笑)
まず驚いたというか良かった事は、アリアが非常に歌い易く感じたという事。「Ah! fuggi il traditor!」の複雑なリズムやテンポに躓かないで歌う事が出来た。これにはちょっとブッたまげた(笑)どう考えても、ヘンデルのリサイタルでオペラアリア9曲歌った事の賜物としか考えようが無いのだが、超久しぶりにこの曲を歌ったのに、こんなに歌い易くなっているのは本当に予測不可能な事である(滝汗)
ちょっと困った事は、ドンナ・エルヴィーラを歌う発声がクレオパトラを歌う発声と同じになっている、という事である。これは、ドンナ・エルヴィーラのオペラアリア3曲全てについて言える事である。これは、谷岡先生がどのように評価されるだろうか???結構不安(爆死)
ベートーベンやシューベルトの歌曲を練習している時には、殆ど感じなかったんだけど。
まあ、でもこれは仕方が無い事かも知れない。もし、谷岡先生に修正されるとしても、ギリギリの調整になるだろうと考えている。まあ、ドンナ・エルヴィーラ自体はコロラトゥーラやレジェロの役では無いから、多少発声の響きが太くなっても、太く重くなり過ぎなければ大丈夫だと思うけど(笑)果たして、谷岡先生の許容範囲がどの位であるのかに掛かっているような気がする(笑)


まあ、自分の声だから仕方が無いよねえぇ〜〜〜・・・。


明日も夜勤〜♪