昨日は、超トンでも無い夜勤だった。
申し送り終了15分後、突然患者さんが呼吸停止&心停止。即心臓マッサージと人工呼吸を施したが、20分後に死亡確認。そして、朝9:30に出棟した手術患者さんが11時間掛かって手術終了、約5000cc出血して帰室、その後は朝まで1時間毎に観察・測定を繰り返し、ようやく落ち着いて夜勤終了。16時間の夜勤勤務で休憩は1時間弱しかなかった。昨日の朝は夜勤後帰宅してすぐに、気絶。一眠りしてから、待ちに待っていたバンクバーオリンピック男子フィギアスケートのフリーの録画を観て、織田のアクシデントに涙を誘われ、ライサチェックにベタ惚れし(はぁと)、高橋の銅メダルに感動した。全身、せんねん灸尽くしで♪

今日は朝目が覚めてからクシャミが止まらなかった。完璧に昼夜逆転傾向のため、今月から睡眠薬を倍量に増やした。無理やりにでも夜眠らないと、休日に歌の練習が出来ない。危機的状況。多忙を極める勤務の上に夜間殆ど眠れないため、鼻風邪程度はやむを得ない。風邪薬を飲んでスタジオ練習に行く。
本当は、来月の演奏会本番のために谷岡先生のレッスンを受けたかったのだが、今疲労困憊で殆ど進行が止まっている、今年リサイタル予定のシューマンの勉強がどうしてもしたかったので、今日はスタジオ練習にした。今日はいつものスタジオがどこも取れなかったので、新しいスタジオへ。午前11時から、十分な睡眠と休養が取れなかったが文句を言っている場合では無い。自宅からちょっと遠いけど割と広くて響きが良い。ピアノは無いけどクラビノーバがあるので、まずまず。

発声練習をしてから早速シューマンの歌曲の練習に入る。しかし、クシャミが止まらない状態で鼻水をかみっ放しの上、疲労のせいで体も声帯も半分眠っている状態には、シューマンの歌曲の音域は些か高すぎる。いつもなら何て事は無い2点Gや2点Aでさえ届かない。体も筋肉も硬い。横隔膜さえ自由に動かない。声が硬く息が流れない。重心が上ずったような感じ。発声練習だけならいつもと然程変わらない程度の声は出たけれど、これでは話にならない。特に中高音域が続くシューマンは流石に辛い、と言っても、じゃあパミーナのアリアは何故辛く無い?????とゆ〜話になってしまうのだが、シューマン歌曲2曲練習したトコロで流石に声帯に負担を感じて、急遽練習曲を変更した。
ヘンデル「エジプトのジュリアス・シーザー」セストとコルネーリアの2重唱のコルネーリアのパートを練習。中高音域がキツいならいっその事低音域の発声練習に切り替えようと。音域を低音域に切り替えたら途端に発声が楽になった。
無論、私はコントラルトでは無いので、コルネーリアの歌唱自体は不釣り合いであろうが、それでも最近は身体的・精神的疲労やストレスが常人の何十倍も高いので、その時々によって自分の声帯に最も負荷が少ないと私自身の声帯が判断した曲を練習として使う事にしている。恐らくそれが最も声帯を無難な方向で調整する一つの智慧だと考えている。残念ながら、練習には遅滞を来す結果にはなるのだが。
結局。多少コルネーリアの練習を行った事で、声帯や体の筋肉が解れたカンジになった。練習が少ないとついつい短い時間に歌い込んでしまいがちなのだが、極力休み休み騙し騙し、水分摂取を心掛け、食事も摂らずに自宅を出て来ているのでチョコレートをつまみながら、努めてゆっくり楽譜に向かう。疲労や不眠に負けずめげず諦めず、休日も全て休まず何とかスタジオで楽譜に向き合っていられる事を良しとしなければならない。

コルネーリアの練習を終わらせた後は、3月演奏会のバッハ「Bist du bei mir」とモーツァルト「魔笛」パミーナのアリアの練習。流石に前回ピアニストのY先生とのピアノ合わせで指摘された事を修正して次回のピアノ合わせに臨まなければならない。と言っても、そんなに力を込めて練習するつもりは無い。飽くまでも今の状態を最善に保った上で、Y先生や谷岡先生の御指導を取り入れて行くだけ。暗譜も殆ど出来ているので、後は苦手な箇所や下降音型のポジションが下がらないようにブレスが不足しないように、それだけを調整して行く。他にも修正の要因は多々あるだろうが、それらはもう次回の課題と割り切る。今は自分の発声や表現の最も良い所を伸ばして行く方向で練習をして行くと決めた。
バッハもパミーナも、前回初ピアノ合わせのY先生の指摘を踏まえて練習出来たと思う。バッハに関しては発声の基本はメゾピアノで。身体的疲労が強いためか、下降音型はどうしても音程が低くなりがちだったが、演奏会本番も必ずしも疲労が全て取れて体調的にベスト、などというフザケた状況は残念ながら望める筈は無い。4小節ブレスが持たなくても、発声の音量をメゾピアノにレガートに中低音域にポイントを置く歌唱を丁寧に心掛ける練習を、何度も何度も確認を繰り返した。
パミーナのアリアは、再度メトロノームを使用してのテンポ調整を行った。飽くまでも6/8拍子に聴こえるようにフレーズを繋げて最小限度の声量とブレスで歌うテンポ。でもやはりテンポ64〜66になってしまう。少し早めにテンポ66に設定して調整を行った。テンポの再調整で一番苦労するのが、アジリダのテンポ。ブレス箇所も変えたので、本当に後は谷岡先生とのレッスンで上手く調整していかなければならないだろう。
もともとパミーナは、ウィーンでのレッスンでN先生に、

「あなたの声はパミーナの声」

と指摘されたから勉強を始めただけである。それまでは、というか、去年のウィーンでのレッスン以前は、CDやDVDさえマトモに聴いたり観たりしてなぞいなかった。ウィーンから帰国して暫くの間、足掻いて悩んで不貞腐れてからようやく、ルチア・ポップのパミーナのDVDを購入して観ている位である。
CDも、エディト・マティスやバーバラ・ボニーのパミーナの録音は持ってはいるが、殆ど聴いた覚えすら無い。
せめてパミーナのアリアのアジリダの部分だけは、ポップやマティスやボニーがどのようにブレス処理を行っているのかを聴いたり観たりする必要性は若干くらいは要るだろうな、とは思った。

好きでも無い歌手の録音や映像を観聴きするのは、はっきり言って苦痛以外の何物でも無い。増して、私はヒマを持て余したナンちゃってオペラファンのような時間的余地は皆無である。まあ、仕方が無い。これも勉強のウチである。善哉善哉。


練習を終えて、いつものギャラリーカフェへ。
今日は、友人と一緒にDVD観賞会、いや、観「聴」会(笑)
私が持っているヘンデル「エジプトのジュリアス・シーザー」のDVDを3種類、聴き比べてみようと思って友人をお呼びした。
友人はこれからセストの勉強をする予定なので、セストのアリアや2重唱を中心に。コペンハーゲンのセミングセン、ドレスデンのハント、グラインドボーンのキルヒシュラーガーを中心に、どの歌手の歌唱かは教えずに聴かせた。
本当に興味深い反応が返って来た。
私がブログに書いた事と、ほぼ変わらない感想が返って来た。これには流石に私も笑った(爆)
歌手の、容姿や評判などの先入観に惑わされない人間の意見とは、実に貴重なものである。それを真に痛感した。逆に言えば、どれ程多くの知識を持ち世界的に有名な歌手の高額な演奏会を数多く鑑賞している人間であっても、狭量な趣向と偏見に満ちた人間の意見は、非常に慎重に細心の注意を払って除外していかなければ、ただただ他人に振り回される歌い手に成り下がってしまうという危機感を改めて強くした。
特に、自分が今後勉強して行く曲やオペラの役に関しては、歌い手も自分の好みや趣向に偏狭になっている余地は欠片も存在しない。
私ですら、幾らジェシー・ノーマンを崇め讃えていたとしても、ヴェルディ「アイーダ」の録音はノーマンを参考にする事は絶対に有り得ない。ノーマンの「アイーダ」の録音を持っているが、飽くまでも基本はレオンティン・プライスで、それに続くのがマリア・カラスやレナータ・テバルディやアプリーレ・ミッロやモンセラ・カバリエである。
歌い手にとって、自分が実際に勉強し歌いレパートリーにするという事は、至極シビアな問題である事を付け加えておく。
最後に、グラインドボーンのサラ・コノリーと、私の「コンセルヴァトアールのヘンデルの至宝」クリストフ・デュモーを聴いて貰った。この時私も改めて驚いたのだが、このグラインドボーンのウィリアム・クリスティ指揮ヘンデル「エジプトのジュリアス・シーザー」のトロメーオを歌っていたクリストフ・デュモーは、弱冠26歳だった。思わず溜息が出た。26歳でこれだけの歌唱力と演技力。デュモーは、私は天才だと感じる。
セストのアリアはコペンハーゲンのセミングセンを、コルネーリアとセストの2重唱はドレスデンのハントを目標とする事で友人と私の目標は、一致した。ちなみに、友人は私のヘンデル・リサイタルを聴きに来ているのだが、ダニエル・ド・ニースの「Se pieta」を聴いてみるかと勧めたが、不要だったようだ(苦笑)
非常に有意義な、観「聴」会だった(笑)


帰宅してから、今日録画しておいた「浅田真央・金メダルへの闘い」を観た。
私としては、真央ちゃんがグランプリシリーズと世界選手権後、マスコミから姿を消した2ヵ月間を集中的に放送してくれるものとして期待していたのだが、その問題の2ヵ月間の録画は殆ど無かったのでちょっちガッカリはしたものの、やっぱり大いなる真央ちゃん超特大ファンの私としては、正に大泣きものの放送だった(滝涙)
勿論、競技会でのスケーティングの評価が一番重要なのだろうが、真央ちゃんがどのようにこのラフマニノフ「鐘」と悩み、苦しみ、向き合い、取り組んで来たのかを知る事が出来た事は1ファンとしてとても嬉しい事だった。
今季最初は、明らかにラフマニノフ「鐘」を演技しきれていなかった、滑りこなせていなかった、迷いながら滑っていた、真央ちゃん。
フィギアスケートはスポーツである事は良く理解しているのだが、私はどうしても歌う人間なので、スケーターのキャラクターと曲のスケールや相性やプログラムの適性、即ちレパートリーという事を考えながらスケーティングを見てしまう。
最初はやはり、ラフマニノフ「鐘」は、真央ちゃんには重すぎるのではないかと私も感じていた。
歌い手で言うなれば、今迄モーツァルトやドニゼッティなどのカワイイ系の役を歌っていた歌手が、いきなりワーグナーを歌うようなものだなあぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と(溜息)
その上、トリプルアクセルジャンプという大技を決めるという、真央ちゃんの年齢なら、まだ19歳なのだから、そんなに成長を急がなくても・・・・・と私も思ってしまっていた。
でも、私が真央ちゃんを大好きな理由は、勝てるスケーターだからでは無い!!!!!
真央ちゃんの「闘志」と「強靭な意志」と「ひたむきさ」である!!!!!
飽くまでも、トリプルアクセルを飛ぶと、ラフマニノフ「鐘」を演じ滑りこなしてみせるという、失敗とも孤独とも苦難とも全て向き合い乗り越えようとする、あのひたむきな強さ。
採点で言ったら、トリプルアクセルよりも、3回転&3回転のコンビネーションジャンプの方が点数が高いのに・・・・・・・・・・と私の看護師呑み仲間がぼやいていた。
私は、真央ちゃんのそんな強さが、とってもとっても大好きなのだ。
だから、タチアナ・タラソワコーチが真央ちゃんのスケーティングの映像を観ながら、
「あなたは一番強い人間よ」
とロシア語で言っていた場面は、見ていて思わず涙が流れた。
本当に、真央ちゃんは、オリンピックを含めてメダルへと戦っているのだろうか?????
真央ちゃんは、もっともっと別な何かと闘っているのではないだろうか。
全日本選手権も、1位になってバンクバーオリンピック行きが決まった事で確かに喜んだだろう。でも、真央ちゃんはいつも言っている。200点超え、という事を。
全日本選手権だって、1位になってバンクバーオリンピック行きが確定したとしても、真央ちゃん本来の最低限度の条件である200点超えが出来なかったら、真央ちゃんの反応は果たしてどのようなものであっただろうか??????????
そう考えると、非常に考えさせられる。
私は真央ちゃんの大大大ファンなので、自分の偏狭な物差しだけで真央ちゃんを測るような下世話な真似はしたくないと本当に思う。
オリンピックへの出場やメダルを喜ばない人間はいないだろう。真央ちゃんだって、嬉しいだろうと思う。
でも、以前このブログにも書いたけれども、真央ちゃんが本当に納得出来るスケーティング、真央ちゃん自身が本当に目指すやりたい事をやって欲しいと、心からそれだけを願う。
真央ちゃんなら、バンクーバーオリンピックでもきっと多くの事を出来ると思うし、メダルの有無やメダルの色に関わらず真央ちゃんらしいスケーティングとスマイルを希望している。
2ヵ月待っていたのだ。これからも幾らでも待てる(笑)
笑顔でも涙でも、ずっとずっと真央ちゃんを応援し続けたい。
24日は休日なんだけど、26日は夜勤(爆死!!!!!)
夜勤の仕事、手に付くかなあぁ・・・・・・・・・・(自爆)
頑張れ、真央ちゃああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ♪♪♪♪♪

さて、明日の夜勤に備えて、寝ます。BGMはヘンデル「エジプトのジュリアス・シーザー」で(死)