昨日の夜、余りの疲労の限界と精神的ストレスから、プロデューサーに電話した。
泣きながら、電話した。
もう、これ以上の勉強を続けるのは無理なのではないか、と。
楽譜もCDも買いに行く体力も無い、時間が無駄に過ぎて行ってしまうのが、悔しくて悔しくて仕方が無い、と。
今以上の事は、自分にはもう何もかもが無理なのではないか、と。
プロデューサーは随分驚いていたのだが、
「明日来なさいよ。話しようよ」
と言って下さったので、泣きながらも少し気持ちが落ち着いたので、電話を終わった。
取り敢えずスタジオもレンタルしてしまったので練習を休む訳にもいかず、いつもの通り、しこたま睡眠薬を飲んで眠ろうと努力したが、やはりいつもの勤務時間の午前2時〜5時は、眠る事が出来なかった。
今日は午後1時まで寝て、午後2時にギャラリーカフェに行き、¥2000分の新しい楽譜のコピーの製本を行った。
プロデューサーに、午後4時からのスタジオ練習の後、午後7時過ぎにもう一度来店する事を伝えて、スタジオへ向かった。
6月のヤンクミ一座の演奏会のクレオパトラのアリア5曲の練習の他に、9月に予定しているウィーンでのレッスンに持って行く曲、今年12月のシューマンのリサイタル11曲、どれも殆ど中途半端な状態。それもこれも、親父の病気のお陰様で夜勤生活の不眠と疲労の賜物。だからと言って自分自身やると決めた以上は、何とか間に合うように調整していかなければならない。
まず、ウィーンのレッスンに持って行く曲を変更した。
ベートーベンのイタリア語のテキストの歌曲2曲は、中止。その代わり、以前レッスンを受けた事があったり演奏会本番に乗せた事のあるモーツァルトの歌曲を幾つか手直し練習する事に決めた。
その他には、今年12月リサイタル予定のシューマンの歌曲を幾つかウィーンでレッスンして頂く可能性も考慮する事とした。
これは、先日、谷岡先生と一緒に決定した重要事項に大きく由来する。
今日はまず、ヤンクミ一座で歌うクレオパトラのアリア5曲の練習から開始。
久しぶりのクレオパトラのアリアで、前回のミルヒー先生のレッスンで、すっかり体の重心のポジションが上がり気味になってしまっていたので、新しく歌うアリア1曲を最初から母音のみで発声練習からやり直した。前回のミルヒー先生のレッスンからは既に6日も経過してしまっているのだが、やはり、今迄積み重ねて来たものの蓄積があるのだろうか、身体的疲労のためかかなり発声は硬く細く響きがちだったが、体の重心の下と頭の上のポジションの感覚は意外にすぐに戻す事が出来た。非常に疲れているので、どちらかというと声を出してしまい気味だったが喉が疲れる事も痛む事も無く、程々に休憩しながらクレオパトラのアリアを練習する事が出来た。しかし、やはり最も難しかったのが「Se, pieta」のレチタティーヴォ部分。特に最初から中間にかけてのフォルテのバランスが悪かった。後半のピアニッシモは、パミーナの練習の影響もあってか非常に良いカンジに歌えていたと思われるのだが、今後の大きな課題である。
クレオパトラを一通り練習した後は、今年12月にリサイタル予定のシューマンの歌曲を4曲練習した。何故4曲かというと、時間が無かったから。
ドイツリートは、イタリアオペラ程の力強さやら声量は不必要なので、取り敢えずテンポとブレスの再確認を時間ギリまで行い、3時間のスタジオ練習を終えた。
スタジオ練習が終了してからその足で、ギャラリーカフェに向かった。
到着するとすぐに社長がプロデューサーを呼んで下さった。
珈琲を飲みながら、プロデューサーが一言、切り出した。
「親父さんの事も大変で、夜勤も多くて、普通の人よりも何倍も大変な事をやっているんだよ。でも、自分でやると決めた事だから、我慢するしか無いし、乗り越えるしか無いよ。多分、自分でもそれを承知で新しい事を始めようと思ったんでしょう。あなた位頑張って勉強するから、Y先生もピアノ伴奏してくださるんだし。確かに、今迄がギリギリの状態で歌って来たんだと思う。そこで新しい事を始めようとして、体が悲鳴を挙げたんじゃないの?もう少し、自分の体を労わってあげなきゃ。自分の心だけでなく、自分の体にも頑張った御褒美をあげないと、それでなくてももう若くないんだから、体が悲鳴を挙げても仕方が無いよ」
と、指摘された。
流石、芸術家であるプロデューサー。仰る通り。
今迄の勉強だって練習だってレッスンだって、演奏会本番だって、いつも自分ではMAXのギリ状態でいつも挑んで来たと思う。そして今回新たに始める勉強は、今迄の何倍もの勉強と練習を追加しなければならない事なのである。
しかも、親父のために、夜勤専門勤務。
これでは、体も悲鳴を挙げても当然だろうよ。
私は、プロデューサーに言った。
「今の事もこれからの事も、自分には出来る、という事は判っている。でも、体が動かない」
私の言葉を聞いたプロデューサーが、一言アドバイスしてくれた。
「銭湯か、近場の温泉に行っておいで。ど〜せ丸一日何もしないで休めって言ったって、あなたは無理でしょ?だったら、何にも持たないで広〜い御風呂に一人っきりでどっぷり浸かっていると、頭の中の沢山の考えなきゃならない事は、風呂入って帰った後にしようって思えるから。私もね、年に2〜3回そうするのよ。良く眠れるし、疲れも取れるわよ。家の風呂じゃ駄目なのよね。広〜いお風呂じゃなきゃね。お酒のんで、友達と騒いで、音楽で進歩して心に御褒美が幾らあったとしても、ちゃんと体にも御褒美あげないと駄目だよ。ちゃんと休んで自分の体を労わってあげなかったから、今回体が悲鳴を挙げたんだよ。一日とは言わないから、半日でもちゃんと自分の体にも御褒美あげないとね。自分の体に、今迄ゴメンなさいねって言いながらお風呂に浸かるとね、自分の体が本当に喜んでくれるのが判るわよ!!!兎に角、今の状況でどうしたら自分のやりたい事が出来るのか、可能なのか、対処していいく事しか無いのよね」
ああ、そうか、そういう事なのか、と妙に納得した。
そうだよな、もう大して若くも無いし。
去年親父が脳出血でぶっ倒れてから、ほぼ休んでいない。疲労困憊で練習出来ない事はあったけど。
自宅にいる時は、CDでもDVDでも、ほぼかけっ放しだし。
超人的なスケジュールで仕事してるし。普通、やらねえぇよな、6日連続夜勤、3当直。
しかも、秒等での業務は、病棟課長&病棟主任代理、リーダー業務、新人教育、事故防止委員会、そしてお腹一杯ごっそ〜さんの、連続夜勤。
例え、決して、それでも、どんな事があっても、休日は、絶対に練習やレッスンを休みたくない。
喘息発作を起こしていない限りは、何が何でも練習する。これは絶対に変えないし、譲らない。
演奏会本番の舞台の上で、練習不足を後悔するような、無様で恥ずかしい惨めな真似だけは、絶対に死んでもしたくない。
とゆ〜事で、明後日の夜勤明けで、近所の温泉に行く事にした。
効果は、後日プロデューサーに報告するという事になった(笑)
新しい、大きな事を始めるって、ホントに大変だわ。
泣きながら、電話した。
もう、これ以上の勉強を続けるのは無理なのではないか、と。
楽譜もCDも買いに行く体力も無い、時間が無駄に過ぎて行ってしまうのが、悔しくて悔しくて仕方が無い、と。
今以上の事は、自分にはもう何もかもが無理なのではないか、と。
プロデューサーは随分驚いていたのだが、
「明日来なさいよ。話しようよ」
と言って下さったので、泣きながらも少し気持ちが落ち着いたので、電話を終わった。
取り敢えずスタジオもレンタルしてしまったので練習を休む訳にもいかず、いつもの通り、しこたま睡眠薬を飲んで眠ろうと努力したが、やはりいつもの勤務時間の午前2時〜5時は、眠る事が出来なかった。
今日は午後1時まで寝て、午後2時にギャラリーカフェに行き、¥2000分の新しい楽譜のコピーの製本を行った。
プロデューサーに、午後4時からのスタジオ練習の後、午後7時過ぎにもう一度来店する事を伝えて、スタジオへ向かった。
6月のヤンクミ一座の演奏会のクレオパトラのアリア5曲の練習の他に、9月に予定しているウィーンでのレッスンに持って行く曲、今年12月のシューマンのリサイタル11曲、どれも殆ど中途半端な状態。それもこれも、親父の病気のお陰様で夜勤生活の不眠と疲労の賜物。だからと言って自分自身やると決めた以上は、何とか間に合うように調整していかなければならない。
まず、ウィーンのレッスンに持って行く曲を変更した。
ベートーベンのイタリア語のテキストの歌曲2曲は、中止。その代わり、以前レッスンを受けた事があったり演奏会本番に乗せた事のあるモーツァルトの歌曲を幾つか手直し練習する事に決めた。
その他には、今年12月リサイタル予定のシューマンの歌曲を幾つかウィーンでレッスンして頂く可能性も考慮する事とした。
これは、先日、谷岡先生と一緒に決定した重要事項に大きく由来する。
今日はまず、ヤンクミ一座で歌うクレオパトラのアリア5曲の練習から開始。
久しぶりのクレオパトラのアリアで、前回のミルヒー先生のレッスンで、すっかり体の重心のポジションが上がり気味になってしまっていたので、新しく歌うアリア1曲を最初から母音のみで発声練習からやり直した。前回のミルヒー先生のレッスンからは既に6日も経過してしまっているのだが、やはり、今迄積み重ねて来たものの蓄積があるのだろうか、身体的疲労のためかかなり発声は硬く細く響きがちだったが、体の重心の下と頭の上のポジションの感覚は意外にすぐに戻す事が出来た。非常に疲れているので、どちらかというと声を出してしまい気味だったが喉が疲れる事も痛む事も無く、程々に休憩しながらクレオパトラのアリアを練習する事が出来た。しかし、やはり最も難しかったのが「Se, pieta」のレチタティーヴォ部分。特に最初から中間にかけてのフォルテのバランスが悪かった。後半のピアニッシモは、パミーナの練習の影響もあってか非常に良いカンジに歌えていたと思われるのだが、今後の大きな課題である。
クレオパトラを一通り練習した後は、今年12月にリサイタル予定のシューマンの歌曲を4曲練習した。何故4曲かというと、時間が無かったから。
ドイツリートは、イタリアオペラ程の力強さやら声量は不必要なので、取り敢えずテンポとブレスの再確認を時間ギリまで行い、3時間のスタジオ練習を終えた。
スタジオ練習が終了してからその足で、ギャラリーカフェに向かった。
到着するとすぐに社長がプロデューサーを呼んで下さった。
珈琲を飲みながら、プロデューサーが一言、切り出した。
「親父さんの事も大変で、夜勤も多くて、普通の人よりも何倍も大変な事をやっているんだよ。でも、自分でやると決めた事だから、我慢するしか無いし、乗り越えるしか無いよ。多分、自分でもそれを承知で新しい事を始めようと思ったんでしょう。あなた位頑張って勉強するから、Y先生もピアノ伴奏してくださるんだし。確かに、今迄がギリギリの状態で歌って来たんだと思う。そこで新しい事を始めようとして、体が悲鳴を挙げたんじゃないの?もう少し、自分の体を労わってあげなきゃ。自分の心だけでなく、自分の体にも頑張った御褒美をあげないと、それでなくてももう若くないんだから、体が悲鳴を挙げても仕方が無いよ」
と、指摘された。
流石、芸術家であるプロデューサー。仰る通り。
今迄の勉強だって練習だってレッスンだって、演奏会本番だって、いつも自分ではMAXのギリ状態でいつも挑んで来たと思う。そして今回新たに始める勉強は、今迄の何倍もの勉強と練習を追加しなければならない事なのである。
しかも、親父のために、夜勤専門勤務。
これでは、体も悲鳴を挙げても当然だろうよ。
私は、プロデューサーに言った。
「今の事もこれからの事も、自分には出来る、という事は判っている。でも、体が動かない」
私の言葉を聞いたプロデューサーが、一言アドバイスしてくれた。
「銭湯か、近場の温泉に行っておいで。ど〜せ丸一日何もしないで休めって言ったって、あなたは無理でしょ?だったら、何にも持たないで広〜い御風呂に一人っきりでどっぷり浸かっていると、頭の中の沢山の考えなきゃならない事は、風呂入って帰った後にしようって思えるから。私もね、年に2〜3回そうするのよ。良く眠れるし、疲れも取れるわよ。家の風呂じゃ駄目なのよね。広〜いお風呂じゃなきゃね。お酒のんで、友達と騒いで、音楽で進歩して心に御褒美が幾らあったとしても、ちゃんと体にも御褒美あげないと駄目だよ。ちゃんと休んで自分の体を労わってあげなかったから、今回体が悲鳴を挙げたんだよ。一日とは言わないから、半日でもちゃんと自分の体にも御褒美あげないとね。自分の体に、今迄ゴメンなさいねって言いながらお風呂に浸かるとね、自分の体が本当に喜んでくれるのが判るわよ!!!兎に角、今の状況でどうしたら自分のやりたい事が出来るのか、可能なのか、対処していいく事しか無いのよね」
ああ、そうか、そういう事なのか、と妙に納得した。
そうだよな、もう大して若くも無いし。
去年親父が脳出血でぶっ倒れてから、ほぼ休んでいない。疲労困憊で練習出来ない事はあったけど。
自宅にいる時は、CDでもDVDでも、ほぼかけっ放しだし。
超人的なスケジュールで仕事してるし。普通、やらねえぇよな、6日連続夜勤、3当直。
しかも、秒等での業務は、病棟課長&病棟主任代理、リーダー業務、新人教育、事故防止委員会、そしてお腹一杯ごっそ〜さんの、連続夜勤。
例え、決して、それでも、どんな事があっても、休日は、絶対に練習やレッスンを休みたくない。
喘息発作を起こしていない限りは、何が何でも練習する。これは絶対に変えないし、譲らない。
演奏会本番の舞台の上で、練習不足を後悔するような、無様で恥ずかしい惨めな真似だけは、絶対に死んでもしたくない。
とゆ〜事で、明後日の夜勤明けで、近所の温泉に行く事にした。
効果は、後日プロデューサーに報告するという事になった(笑)
新しい、大きな事を始めるって、ホントに大変だわ。
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