本日13時から、N先生のシューマン歌曲のレッスン開始。今年12月に予定しているシューマン・メモリアルのリサイタル用歌曲9曲を全部、ウィーン滞在中にレッスンするとのN先生のお達し。しかも、昨日のレッスン終了後に、ピアニストのEさんの御都合を踏まえて、今日のシューマンのレッスン曲をピアニストEさんとN先生がピックアップしていたのにも拘わらず、N先生が、私のリサイタルでの歌う曲順にレッスンをすると仰り始めた。これにはピアニストEさん、N先生が解らないように、日本語で大ブーイング!!!!!
「昨日やるって言った曲と、違うじゃん!!!!!!!!!!」ByピアニストEさん。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(苦笑)

シューマン歌曲のレッスン開始。
「Madchen Schwermut」から。
8分の3のリズムを再確認。飽くまで8分の3のリズムでレガートに繋げて歌う事。
Seh(ゼー)の発音が非常に弱く聞こえるとの事で、日本語の「ぜ」とほぼ同じ発音で良いとN先生より指摘される。普段、日本語で「ざじずぜぞ」の発音のつく単語なんて、確かに余り多くは無いように思う。
音符が動く音型やフレーズは上昇音型でも下降音型でも、兎に角レガートに修正される。これは、難しい事なのだろうか?それとも単に私が苦手、または不得意なだけなのだろうか、分からなくなって来る。
ウムラウトはどの発音でもほぼ100%の確率で、修正される。これはもう、仕方が無い。
諦めて、当然の事と考えるしか、無い。
逆に、ウムラウトの正確な発音を習う為にウィーンにレッスンに来ている、と発想の転換を余儀なくされた。
シューマン歌曲は、ロングブレスというか、ロングフレーズというか、そのような歌曲が非常に多いのだけれど、基本的に4小節ブレスに修正される事は多くは無いけれど、カンニングブレスを行ったとしてもフレーズの切れ目が絶対に分からないようなテクニックを要求される(実際、要求されている)その代わり、ブレスを取れる箇所では相当にきっちりとブレスをたっぷりと取る事も指摘された。
主な理由としては、シューマン歌曲は、必要不可欠なブレスの後に沢山のritが存在する。これをクリアして尚且つ充分なブレスを以ってritを保ち、尚且つクレッシェンド〜ディミネンドのコントラストを明確に保持するためには、当然の必要不可欠なテクニックとなる。

「Melancholie」へ。
シューマン歌曲であっても、オペラアリア並みにドラマティックに歌い表現するようにN先生から修正が入る。
たった1音2拍でf(フォルテ)とp(ピアノ)を歌い分けなければならない。そのコントラストを何度か歌い直し修正。
幾らドラマティックに歌うとは言っても、歌詞の内容から静かで平穏なレガートとのコントラストを多く要求される曲。
こういう曲を歌っていていつも思い出すのが、映画「クララ・シューマン〜愛の協奏曲」でのロベルト・シューマンの人物像である。激しさと静けさ。これがシューマンの個別的な特徴、言うなれば「シューマン節」として確実に表現出来てこそ、のロベルト・シューマンなのだろう。
1か所、繰り返される歌詞で、私の解釈とN先生の指摘が異なる部分があった。
Schmerzを2度繰り返すのだけれど、私は1回目の方を強調して歌ったがN先生の指摘は2回目のSchmerzの方を強く強調するように指摘される。詩人ギーベルの文脈としては、Schmerzの繰り返しの前のフレーズでWundeの繰り返しがあり、その音型は繰り返される2回目の言葉の方が音として強調される作りになっているので、そのシューマンの作った音楽に忠実に、という事なのだと考えた。
ついつい憂鬱さを強調しようと考えて、レガートにピアノで歌おうとしていたのだが、私の声でも最後のフレーズは例えfの指示が無くてもマルカート気味に歌うように、とN先生から修正される。
録音を歌ってるのは、クリスティーネ・シェーファー。スーブレッドの真似事は、やはり良く無い影響しか齎さないのだと、強く実感した。
ピアニストEさんからも「声量の強弱よりも、音楽的対比を」と指摘を受けた。

本日最後の曲「Ihre Stimme」
この曲は緩やかなレガートで通して歌われる曲。主にフレーズを大きく流れるように取るように何度も何度もどの個所でも指摘され修正を受ける。自分自身としては、もう目一杯レガートに歌っているつもりでも、まだまだ相当に不足、という事である。N先生は指摘・修正の手を決して緩めない。N先生の要求通りのレガートさに限り無く近づくまで、何度も何度も繰り返しフレーズを歌う。
そして、このようなレガートで優しいイメージの曲は、私は声量を抑えめにして歌う「癖」が身についてしまったらしく、これはかなり修正・指摘の的となった。N先生から、喜びや情熱を表わす歌詞は、決してpで歌い表わすのでは無く、深く温かい声の響きが必要であると、耳にタコが出来る程要求された。

ピアニストEさんも、本当に25歳か?????と思う程の指摘をされる。
やはり、伊達にウィーンで7年間勉強して主席卒業をして来た訳では無いのだと実感させられた。
こんな、本業看護師の、日本のオバサンのアマチュア相手に、これ程の音楽性を要求して来る辺りは、日本の同じ位の年齢のピアニストとは比べ物にならないのでは、と思われた。
N先生から、途中、前奏・間奏・後奏の部分で多少の指摘は受けていたものの、私が歌うと日本からのメールを見てから非常に良く弾かれているな、と感じた。
シューマン歌曲9曲、この短期間ではかなり大変だったろうと思う。本当に、有難いと感じた。

シューマン歌曲レッスンの1日目としては、N先生、意外にアッサリ終ったんじゃあないかなあぁ・・・(不解)とも思ったが、まあいい。多分、これからN先生の本領発揮、パワー全開になるだろう。
それに、これからコンチェルトハウスでB先生のシューベルト歌曲のレッスンもある事なので、余り飛ばされても後が持たない(爆)


流石に、ピアニストEさんは明日のレッスン曲の予定の相談をN先生とはしなかった。
多分、私のプログラム通りにレッスンするだろうから、N先生に聞いても無駄だろうとの事(超苦笑)
「スコットランド人なのに、そ〜ゆ〜トコロはオーストリア人みたいなんだから!!!」
と、ピアニストEさん談(笑)


B先生のレッスンは今日は夜19時から。一度ピアニストEさんと別れて、ウィーン中心部を北海道の妹の御希望の写真をデジカメで撮りながら、少し散歩した。
結構歩き回って疲れたけれど、少しだけ観光っぽいカンジを満喫してから、少し早めにコンチェルトハウスに向かった。