今日は久し振りにミルヒー先生のイタリア・オペラのレッスン。
最近、ウィーンのレッスンのためにずっとドイツ・リート漬けの生活だった。
今年の7月くらいからの猛烈な酷暑で体力消耗、喘息発作が増え、8月は休日の3分の1は自己練習も出来なかった。9月は急に寒くなり、連続夜勤の蓄積疲労も重なり鼻水バリバリの鼻風邪をひきっぱなし。連続黄色のベンザブロックのお世話になっていた。
3ヶ月程レッスンを受けていなかった。これではイタリア系の発声を忘れてしまうし、曲も全然進まない!それでなくとも、12月のシューマン・リサイタルまではまだまだドイツ・リート漬けの日々になってしまう。
そこで先日急遽、意を決してミルヒー先生に御連絡して久し振りのレッスンをお願いしたら、快く承諾して下さった。こんなにも期間が開いてしまってもちゃんとレッスンをして下さる。本当に有難い。

ここの所イタリア・オペラで自己練習していた曲は、モーツァルト歌劇「Cosi Fan Tutti」フィオルデリージのアリア「Come scoglio」と、ヴェルディ歌劇「La Travita」ヴィオレッタのアリア「E strano〜Sempre libera」の2曲。6月に千葉のヤンクミ一座でのヘンデル歌劇「エジプトのジュリアス・シーザー」のクレオパトラのアリア5曲の演奏会以来は、この2曲に集中している。でも、どちらもレチタティーヴォも合わせて非常に大曲だし、高度な歌唱テクニックを要する曲であり、中々練習も進まなかった。
まず、ミルヒー先生の場合、どんなに高度なアジリダでも3点C以上の高音域でも、私がちょっとでも軽く抜いて発声しようものならすぐにNGが出る。ミルヒー先生のレッスン通り、非常に全身を使った深くて力強い発声で高度なアジリダも超高音域も全て歌われなければならない。この練習に非常に体力・集中力・忍耐力を要する。要するにフィオルデリージもヴィオレッタも、ヴェルディ「運命の力」のレオノーラのアリア「Pace, pace mio Dio」並みの発声で歌われなければならないのである。

本日のレッスン。発声練習は何とかOK。
早速フィオルデリージのアリアから。
レチタティーヴォはOKだった。但し、このアリアに入った最初の部分からいきなりオクターブ跳躍が続く。その音符の飛躍する箇所の低音の処理、これに指摘・修正が集中した。流石にモーツァルトが嫌いなソプラノ歌手のために作ったアリアと逸話が残っている、非常に難易度の高いアリア。特に真ん中のC以下の低音域の発声は体や頭部のポジションが下がり易く、これを何度も修正された。
それと、中高音域もミルヒー先生曰く「ちょっと声の響きが纏まっていない」という事で、ミルヒー先生曰くの所謂スピントな発声に何度も修正される。もっと下顎を下げて前胸部を広げて上げて、体幹を伸ばして、息の流れを下から後ろへ。それを何度も繰り返しレッスンした。
この曲のアジリダの部分は修正無しでクリア。やはり極端な音符の跳躍が難関。
それでもこのアリアは大分以前のレッスンよりもかなり良くなっているとの事。少しホッとした。

2曲目のヴィオレッタのアリア。
全体を通して、大分コロラトゥーラやレジェロの声真似では無く、私自身の深くて強い発声で歌う事に慣れて来たと言って貰えた。アジリダはまだまだ慣れていないけれど、3点C以上の超高音域もきちんと発声出来ているし、これもかなり良くなって来た、悪く無いとの事。但し、やはりもっともっと深くて重い声が出せるはず、とミルヒー先生はレッスンの力を緩める事は無い(笑)フィオルデリージのアリアと同じ指摘、下顎をもっともっと下げて、前胸部を上げて体幹を伸ばしてブレスを思いっきり地面の下から取って後ろから頭の上に響かせて深くて強い声を要求される。
そしてやはり、低音の処理を何度も修正された。どうしても5線の下の音域は体全体のポジションが下がってしまう傾向にある。今後の大きな課題の一つである。
それでも、クレオパトラのアリアを何度か歌ってから、ヴィオレッタを軽やかな俗に言う綺麗な声で歌おうとは思わなくなったので、アリア全体の流れと発声の作りとしてはこの曲も私自身の歌唱になって来た。


1時間みっちりこの2曲をレッスンして結構ヘトヘトだったが、ミルヒー先生からレッスン後に、フィオルデリージのアリアは今後小さな演奏会でいいから一度本番に上げてみるように勧めて頂けた!!!!!これはとっても嬉しかった♪

そして、来年の末辺りにはイタリア歌曲とイタリア・オペラでリサイタルを行いたい事をお話ししたら、ミルヒー先生からも是非頑張ってやってみましょう!という話になった。
問題は、選曲。
私は、今までミルヒー先生にレッスンを受けて来たベッリーニ歌曲を数曲と、今までに歌っていないヴェルディのオペラアリア、特に「Il Trovatore」のレオノーラのアリアや、「Don Carlo」のエリザベッタのアリアなど。そしてプッチーニのオペラアリアも新しく勉強して歌いたい事、以前からミルヒー先生から勉強の御許可は頂いていたのだけれど、「トゥーランドット」のリューでは無くトゥーランドット姫のアリア「In questa Reggia」を先に勉強しておきたい事、そして「蝶々夫人」の蝶々さん登場のアリアなどを考えている事をお話しした。
ミルヒー先生からは、
「あなたは、椿姫よりはトロヴァトーレだわね」
との事で、その方向性でヴェルディは進めて行く事になった。その他にも歌曲はベッリーニもいいけど、ヴェルディの歌曲の勉強を新しく勧めて頂いた。今後はヴェルディ歌曲の勉強も始める事になった。
私としてはヴェルディ「マクベス」のレディ・マクベスのアリアも念頭に置いているが、これはまだミルヒー先生にお話ししていない。まだ勉強に取り掛かった事が無いので、いずれレオノーラやエリザべッタと比較検討して頂く機会があればレッスンに持って行こうと考えている。
そしてプッチーニのオペラアリアについては、ミルヒー先生からも是非トゥーランドット姫のアリアの勉強をするように勧められた。
但し、私が、トゥーランドットのリューやボエームのミミなどはミルヒー先生のレパートリーなので、一度来年のリサイタルでヴェルディとプッチーニの勉強をして演奏会本番を行った後でゆっくり時間を少しかけてリューやミミの勉強をしたい、とお話ししたら、ミルヒー先生からトンでも無い言葉が発せられた。

「ミミは、別に今歌わなくていいんじゃない?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
これにはビックリ仰天。
しかも、リューの勉強に関してもミルヒー先生は首を縦に振らなかった。

ミルヒー先生は、御自身で「自分はリリコ・ソプラノ」と仰っている。
ミルヒー先生は、私をスピント・ソプラノと御判断されている。
そのためだろうか?????
それにしても、非常に意外だった。ミルヒー先生、一体どんだけ私をスピントに育てるおつもりなのか・・・・・。
まあ、でも私はミルヒー先生が私を育てたいと考えていらっしゃる方向性で成長したいと考えている。
もし私が声帯を壊すのだとしたら、それは私の発声方法が悪い、という事だと考えている。
現実、一昨年の演奏会で、ヴェルディ「椿姫」の「Addio, del passato」と、「オテロ」の「Ave Maria」と、「運命の力」の「Pace, pace mio Dio」を含む5曲演奏会に乗せた事があったが、声帯には何の問題も無かった。
ミルヒー先生は、レオノーラもエリザべッタも蝶々さんもトゥーランドット姫も、私に歌う事が可能だとお考えなのであれば、それは非常に光栄な事だし嬉しい以上の言葉は無い。
実際に、今日のレッスンでも何度も、
「あなたはもっともっと深くて強い大きな声が出るはず!!!」
と指摘された。流石、ミルヒー先生とお呼びしているだけの事がある。一切妥協ナシ(笑)


さあ、これからが面白くなって来た。
途中の紆余曲折や修正はあるかも知れないが、イタリア歌曲&イタリア・オペラは今後この方向性で頑張って勉強して行きたいと、意欲満々(笑)


今日のレッスンの疲れが出たのか、寝過ごして「相棒」を見逃してしまった・・・・・(爆)