ここの所、来月のシューマン・リサイタルの準備と、今月から新しい先生にレッスンを受け始めたので、余りにも忙し過ぎてブログを書くヒマが無かった。


午前中からN先生のレッスン。ウィーン到着して1日目のレッスン以来M先生もおいでになった。
発声練習はM先生が行なわれた。
比較的低音域の発声から。発声の始めはどうしても体に力が入ってしまう事、高音域になればなる程口を縦に開ける事、ブレスの量をなるべく少なくして軟口蓋が開くように声をコンパクトに纏める事(M先生曰く、エコで!)、音符が動いても一つのポジションと一つの声で歌う事、レガートに音符と音符が繋がって聴こえるように繰り返し修正された。M先生は、
「発声は美しい声を出す必要は無いんだから、難しい事は考えなくていいから。アナタ、真面目だから(笑)」
と仰られた(苦笑)


本日のレッスンはM先生もいらっしゃるので、ブラームス歌曲。約1ヶ月半前にM先生からブラームス歌曲を課題に頂いて、殆どが付け焼刃状態。この6曲、どこまで歌えるか・・・・・・・・・・(不安)
まず「Wie Melodien」から。選択した理由は、ジェシー・ノーマンとナタリー・シュトゥッツマンが非常に美しく歌っている録音がウチにあったから。
ドイツ語のウムラウトと子音の発音を幾つか修正された。フレーズを大きくレガートに取る事、これも毎回ウィーンの先生方に修正されている事の一つなのだけれど、私自身が考えて歌っている以上にもっともっとレガートに歌うよう心掛けて行かないと、自分では大袈裟に感じるくらいにレガートに歌う事が必要である、という事を指摘された。ロマン派の音楽は、この大袈裟なまでの荘大なフレージングの緩やかな流れるようなレガートが非常に重要であり必要なのだと感じる事が多くなった。
高音域をもっともっと楽に発声するために下腹部〜下腿の支えをしっかり取る事、欠伸のように後頭部〜頚部を開けるように何度か修正されたが、この曲は悪く無いとN先生から評価を頂いた。

次に「Lerchengesang」この曲は、ヴェッセリーナ・カサロヴァの録音に収録されていた、非常に美しい曲。
この曲はテンポの取り方が非常に難しい。無論、ピアノ伴奏にも慣れていない。ピアノ伴奏について行くのが精一杯。リズムが上手く取れない。
全体的にもっと緩やかにレガートに歌うよう指摘されたが、基本的にこの曲を歌う事はある場面では非常に難しいという事だった。ネイティブなドイツ語を流暢に話せる人が歌うのなら良いが、日本人でドイツ語を話せないきちんとしたドイツ語の発音を身に付けていない日本人が歌うためには、もっとしっかりとしたドイツ語の勉強が必要であり、日本人の私達がドイツ・リートを歌うための利点が見つけられるような選曲を行なうように、という事を指摘された。この曲は、引っ込める事にした。

「マゲローネのロマンス」からの1曲「Wie schnell verschwindet」
これは曲を出した時点で、N先生からもM先生からも、止められた。理由は「マゲローネのロマンス」は男声用の曲だから、という事。それでも私が「この曲はマゲローネの曲なので女声で歌われる事もあるという記述があった」とお話ししたのだが、N先生もM先生も首を縦に振られなかった。この曲も「Lerchengesang」とまた違った意味である場面で歌われる事は非常に厳しい、難しい選択であるから、女声用の曲を勉強するようにと指摘された。この曲は、結局1フレーズも歌わずに引っ込めた。

「Meine liebe ist grun」この曲は、大分以前に演奏会本番にも乗せていた曲。但し、もう7年も前の事なのでピアノ伴奏について行く事が非常に難しかった。勘が随分鈍っていた。どうしてもピアノ伴奏を聴きながら、気にしながら歌ってしまう。一度歌い終わってからN先生から、
「あなたの中で、この曲がまだ纏まっていないのではないか?」
と質問されてしまった。7年前とは言え一度は演奏会本番に暗譜で乗せている曲。曲の理解は出来ているのだけれど、如何せんピアノ伴奏に神経を向けてしまう。この曲の伴奏は非常に複雑である。勿論、ピアニストのEさんは非常に難しい曲でもきっちり合わせて下さるので心配いらないのだろうが、私自身がブラームスの歌曲をもう既に2曲、今後早急に勉強して行く目途がつかなくなってしまった事に対する焦り、みたいなものも若干あったのかもしれない。N先生とM先生に、「色々な事を気にしながら歌ってしまいました」とお話ししたら、ピアニストのEさんが、
「歌曲ですから、もっと自由に歌っていいですよ」
と、アドバイス頂いた(超苦笑)伴奏やテンポなどは気にせずに歌うように、と。このEさん、本っ当〜に25歳なのかあああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜・・・・・(自爆)とゆ〜事で、今度は自分が7年前に歌ったように、自由にフレーズを大きめに取りながら少し早めのテンポで歌ってみた。最初に比べて非常に自由に(笑)伸び伸び歌う事が出来たので、M先生とピアニストのEさんからは、
「悪く無い。合ってると思う」
との事だった。少しホッとした。多少、勘が取り戻せた。但し、N先生から、
「最初の出だし4小節をノンブレスで歌う事が出来ないのなら、この曲は歌わない方がいい」
との指摘を受けた。でも、考えてみたら、7年前の本番はちゃんとノンブレスで歌っていたのだ。今は本当に色々と気にしながら考えながら歌っている状態なので、勿論この曲を再度きちんと歌い込んでいけば、ちゃんとノンブレスで歌える。これでも、ブレスの長さだけは(爆死)私の長所の一つである。(Byミルヒー先生)
M先生からも、
「あなたなら大丈夫でしょう」
と一言頂けた。とゆ〜事で、この曲は今後も継続して取り組んで行く事になった。

時間が余り無かったが、最後に「Madchenlied」をざっと通して歌った。
この私の歌を聴いたN先生が一言、
「あなたはこの曲を勉強するべきだ。これは、あなたの曲だ」
と、言われた!!!!!ビックリ仰天!!!!!去年のパミーナをレパートリーにするべきだとN先生に指摘された時とまるで同じ!!!!!
去年のパミーナに引き続き、今年もまた同じような事が起こった。この去年と今年の「あなたの曲」事件が続いて思わず直感した事がある。私が生きて歌っている限り私自身が絶対に歌わなければならない、勉強しなければならない曲が必ず存在するのだ、という事。去年はモーツァルト、今年はブラームス。これが本当の真の意味での「レパートリー」なのだという事である。しかも、このブラームス「Madchenlied」は、私がどの先生にも指摘を受ける事無く、自分で録音を購入して、自分で聴いて探し当てて、譜読みしてウィーンに持って来た曲である。ちゃんと、N先生が私の声から考える私自身のレパートリーを、私が自分自身の力だけで探して見つけてこのウィーンのレッスンに持って来る事が出来た事を、大変光栄に想う。そして、これ以上歌い手として、嬉しい事は無い。
自分自身が、声楽に於いてきちんと適切な道や方向に進んでいれば、ちゃんと自分自身が歌うべき曲、レパートリーに出逢う事が出来るんだ、と確信した。


今日のレッスンはここまで。明日は、ブラームスのフォルクス・リート1曲と、またこの「Madchenlied」を時間を掛けてレッスンする事になった。
M先生お手製のお昼ご飯を頂いて、すぐに今度はコンチェルト・ハウスのB先生のレッスンへGo!!!
本日、シューベルトのミニコンサート予定(爆死)