昼食後、M先生とピアニストEさんと3人でゆっくり歩いて、B先生のオフィスへ向かった。B先生のレッスンは今日が最終日。そして、本日のレッスンはシューベルト歌曲6曲のミニ・コンサート。御客様は、M先生御一人様。
それにしても、どんな下手なリサイタルよりも緊張するわあぁ〜\(゜ロ\)(/ロ゜)/

B先生のオフィスに到着。
早速レッスン準備、とゆ〜かシューベルトのミニ・コンサートの準備に取り掛かる。
B先生が6曲の曲順をその場で決められた。
1.Dem Unendlichen 2.Teahkla 3.An den Mond 4.Fischerweise 5.Du bist die Ruh 6.Wiegenlied
の順番となった・・・・・・・・・・(大汗)
あっのおぉ〜〜〜〜〜・・・・・B先生、1曲目からいきなり「Dem Unendlichen」でせうか?????

まずは、B先生がピアノの前に座られた。楽譜は見てOKだったが、一切中断無しでノンストップで歌った。
やはり、普通のレッスンとは大いに違う。聴いていらっしゃるのがM先生という事もある。滅茶苦茶緊張したせいか、1曲目「Dem Unndlichen」のレチタティーヴォは声が多少出無かった、とゆ〜か、震えた。それでもこの曲の後半のアリア部分からは持ち直して、後はそのままレッスンを受けた事をなるべく出すようにと集中して歌う事が出来た。が、やはりB先生のレッスンで何度も指摘・修正を受けたウムラウトの発音や、フレーズを大きく切らさない事など幾つか出来なかった事、発声の強弱や装飾音符の軽やかさと下腹部〜下腿の支えによるロングブレスのなどの幾つか出来た事が、非常に明白になった。一番レッスン通りに歌えていたのは「Du bist die Ruh」一番成長が見えた(聴こえた)のは「Fischerweise」だと自分でも実感出来た。これは非常に大きな収穫だった。恐らく、今日ここで歌った6曲は、日本に帰国しての演奏会でもすぐ本番に上げる事が出来るだろう。

M先生は、目を閉じて静かに聴かれていた。

一通りB先生のピアノ伴走で歌った後は、ピアニストのEさんの伴奏で今度は修正レッスン。毎度御馴染み、B先生が私の正面にがっつり張り付いて50cmの至近距離で立ちはだかる(爆死)
でも、何故か「Dem Unendlichen」だけはB先生が伴奏されて、ピアニストのEさんには伴奏させてくれない!!!!!折角二人でピアノ合わせしたのにいいいいいぃぃぃぃぃ〜〜〜〜〜・・・・・(涙)
この6曲を繰り返し2クール目の演奏。もう指摘される事は決まっている。ウムラウトの発音、ロングフレーズをレガートに。これはもう、今すぐ修正出来て日本に帰国するという類の問題では無い事は千も承知。日本に帰国してからも、いや、ドイツ・リートを歌って行く以上は一生涯かけて取り組まなければならない問題である事は既に明白。逆に、B先生から繰り返し繰り返し指摘・修正されれば、一生決して忘れる事は無いだろうから。
最後「Du bist die Ruh」「Wiegenlied」の2曲は、ピアニストEさんも渾身の伴奏。私は、ピアニストEさんに向かってこの2曲を歌った。この6日間、いや、明日も日本に帰国直前までN先生のレッスンはあってEさんも最後の伴奏に来て下さるのだけれど、それでもこの1週間の間、こんな日本のワケ分からないアマチュアのオバサンのソプラノの伴奏をウィーンで引き受けて下さった事への、私の精一杯の感謝の気持ちで、ピアノの前に座っているEさんに向かってEさんの為に、歌った。

シューベルト歌曲6曲×2回。フツーのリサイタル並の全身の体力・精神力を使い果たした。汗だくでフラフラだった。立っているのがやっとだった。B先生から、
「本当に良く勉強して来た。これからも、このまま更に続けて勉強するように。あなたは本当に真面目な人だ」
と、一言御褒めの言葉を頂いた(滝涙)

ここで、最後にB先生に超マイナーなシューベルト歌曲「Teahkla」について質問をさせて頂く事が出来た。兎に角この曲の解説本は日本では見つからなかった。どんな文献を探せば良いのか、またシラーの詩集ならば日本語訳のものもあるだろうが、確実に自分自身のレパートリーにしたい曲だから少しでも勉強のヒントが欲しい。他人が歌わない曲、名歌手すら中々歌わない曲であるならば、尚更の事である。B先生から、
「ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウがシューベルト歌曲の解説書にこの曲の事を書いている。それを読めば、どのシラーの詩集を読むべきかも解るはずだ」
と教えて下さった。日本に帰国したら、神田の古本屋からネットまで大捜索開始だ!!!!!


ここで、B先生とM先生が、来年の私の事についてある御相談をされた(と後日伺った)らしい。
このブログでは、この件は、パス。

B先生と握手して、また来年もレッスンに御伺いする事を御約束して、B先生のオフィスを御邪魔した。
オフィスから出てすぐに、私は足腰が立たなくなってしまい、廊下でよろけて躓いて転んでしまった。流石に1時間で6曲×2回、計12曲歌って疲労困憊どころの騒ぎでは無かった。少し、ロビーのソファで座って休む事になった。
M先生が、
「あなたって、本当にこんなにも歌が好きなんだなあって、思った」
と涙ながらに語って下さった。そんなに涙ながらに喜んで頂けるような歌唱では決して無かったのだけれども。
取り敢えずは、ちゃんと頑張ってレッスンを受けられたのかな、と自分ではホッとした。
充実感としては、もう最高♪


この後、夕方からM先生とピアニストのEさんと私と3人で、アウグスティーナ・ケラーで夜のホイリゲ弾けて飲み会開催となった。
これは、また後日。

無事、ウィーンでのB先生のレッスン終了と相成りました♪