ようやく一週間振りに、スタジオ練習する事が出来た。
年末年始の6日連続夜勤の疲労から、本当なら今日は午前中には起床するはずだったのに、ようやく体を起せたのは14時。折角、近所の市民センターの音楽室が空いていたので借りようと思っていたのに、この時間に起きたのでは2時間も練習出来ない。歌い初めでこれでは困る。そこで、急遽スタジオに連絡して、ようやく3時間の練習時間を確保。

スタジオ練習に向かう前に、師事している先生やピアニストの先生に、近くのデパートでお年賀を送ってから急いでスタジオへ。

今日は、イタリア歌曲&イタリアオペラの練習初めにする事にした。
今年末〜来年初頭にはイタリア歌曲&イタリアオペラのリサイタルを行なう予定である。
それに、声楽仲間と近々ちょっと面白いイベントを行なう予定もあるから。

まず、ベッリーニ歌曲2曲から。「La Farfalletta」「Il fervido desiderio」を、教授のレッスンの呼吸法とミルヒー先生の発声を折り合わせながらゆっくり丁寧に音取り、譜読みから開始。この2曲は約2年程前に一度ミルヒー先生からレッスンを受けた事はあったのだが、その頃の自分が歌ってはみたものの難しすぎて少しお蔵入りさせておいた。今日本当に久し振りに歌って見て一番大きく感じた事は、2曲とも中低音域が非常に楽にしっかり響かせる事が出来るようになって来た事、音符の高低の大きなフレーズや音符の動くフレーズがワンブレスでレガートに歌えるようになって来た事。
これは、教授の呼吸法レッスンの賜物以外の何物でも無いと改めて実感した。教授にも本当に感謝しているが、教授を御紹介下さったウィーンのM先生に心より感謝申し上げた。
今日は約2年振りくらいに歌うという事もあり、曲の全体的な流れや方向性や表現というよりも、最初の音取りのようにゆっくりと丁寧に呼吸法と発声をワンフレーズ毎に確認しながら時間をかけて練習した。


少し休憩して、オペラアリアの練習へ。
本来なら、今年末〜来年初頭に予定しているイタリア歌曲&イタリアオペラのリサイタルの選曲として、ベルディ歌曲&ベルディ・オペラアリア&プッチーニ・オペラアリアにする予定だったのだが、急遽変更。
今の自分の親父の問題を含むプライベートに関するシビアな状況、看護師でほぼ夜勤勤務というハードワーク、更にウィーンでのレッスンを併せて熟慮した結果、歌曲は今迄歌い慣れて来たベッリーニ歌曲と新しくミルヒー先生に勧めて頂いたヴェルディ歌曲、オペラアリアはプッチーニのみとする事に決めた。
ヴェルディに関してはもうすぐヴェルディのメモリアル・イヤーが訪れる。その時に存分にヴェルディのオペラアリアを歌えば良いだけの事である。オペラアリアで4〜5曲、ヴェルディやプッチーニのグランドオペラのアリアを並べて歌うとすれば、今の自分の状況や環境、決して歌だけ歌っていれば良いという御身分には無い私にとって幾ら高度な呼吸法や発声法のレッスンを受けて練習してそれを実践出来たとしても、声帯を壊すハイリスク状態である事はまず間違いが無い。だから、オペラアリアは非常に慎重にセレクトされなければならない。
特に、プッチーニ「トゥーランドット」からトゥーランドット姫のアリア「In questa Reggia」を歌う予定であり、プログラムの構成としてはリサイタルの最後に歌うであろう事から、ミルヒー先生が私に勉強するべきと御指摘頂いているヴェルディのオペラアリアとプッチーニのオペラアリアを同時に歌う事は、ほぼ自殺行為に等しいと私が熟慮した結果である。
そこで、今日は本当に久し振り、いや約10年振り位にプッチーニ「蝶々夫人」からアリア「Un bel di,vedremo」を歌ってみた。年末年始にかけて、木下美穂子氏の二期会「蝶々夫人」の抜粋の録画ビデオを繰り返し繰り返し見ていたためか、アリア全体の曲の流れとしては今後地道に練習を積み重ねて行く事、教授の呼吸法とミルヒー先生の発声法を丁寧に実践して行く事が出来れば何とか歌える、という感触は得る事が出来た。が、どうも最後の2点hが自分のイメージ通りの声が出無い。ちょっと硬い発声になってしまっていた。教授の呼吸法も丁寧に行なっているし、細く声を当てようとしている訳でも無かったのだが、どうも上手くいかなかった。そこで、このプッチーニ「Un bel di,vedremo」は早々に切り上げて、ちょっと他のオペラアリアを歌う事にした。

以前からミルヒー先生に課題として頂いているモーツァルト「Cosi fan tutte」のフィオルデリージのアリア「Come scoglio」を練習してみた。レチタティーヴォから歌い始め、アリアのアジリダのフレーズを歌い始めた所から、大分声帯が柔軟になってきて高音も無理なくいつもの太さの声で響かせる事が可能になって来た。
勿論全身の疲労もあるだろうし、1週間振りにようやく声を出す事が出来たという要因もあるけれど、何よりもミルヒー先生の仰る通り、このモーツァルトのアリアは非常に発声練習としては格別の素材となるアリアであるという事を改めて認識させられた。
「モーツァルトは声楽の基本」と仰られた事、本当に実感させられた。

ここで少し長めの休憩を取ってから、少し声帯も動いて来た事だし、プッチーニ「トゥーランドット」のアリア「In questa Reggia」を練習した。
この曲の勉強をミルヒー先生から御許可頂いて練習するようになってから少し不思議な事がある。勉強する以前にかなりこの難曲に対して怖気づいていたのだが、自分が考えて恐れていたよりも歌っていて辛く無いのだ。
無論、カラスやカバリエやニルソンやマルトンのような声は私には出せないし、第一そのような声は持ち合わせてはいないのだが、丸っきりどう歌ったら良いのやら皆目見当も付かないという事が無い。これは、本当に不可解な事だと思わざるを得ない。強いて言えば、蝶々夫人の「Un bel di,vedremo」の方が私にとっては余程歌い辛い、という言い方が適当というか。このトゥーランドット姫という役を長く勉強して自分のレパートリーにしたいなどとは露ほども考えてはいない。飽くまで自分自身の声帯や発声を鍛える、強化するために、ミルヒー先生の御許可される範囲内で勉強して一度は演奏会本番の板の上に乗せる、という事である。
それでもこれ程歌い辛さを感じないという事に関しては、自分自身がドラマティコやヘルデン・ソプラノでは無かった事を残念に思う以外他は、無いだろうと思う。
それでも、モーツァルトのフィオルデリージ「Come scoglio」の練習の後に、中低音域の発声も含めて練習としてはまずまず声も整って来たし、高音域は問題は感じない程度に発声する事も出来た。音程が低い事も無く、全身疲労の割にはこの曲を丁寧に練習する事が出来たと思った。強いて言えば、やはりもっともっと発声の強さというか鋭さが欲しい所だが、今の自分の疲労度も含めてもともと自分の声質とは違う役を勉強という事で歌っているのだから、仕方がないだろう。


1週間振りの疲労困憊の今年歌い初めとしては、呼吸法と発声を丁寧に確認しながらの練習が出来た。今年の勉強と練習の方向性が非常に良く見えた、という事だと考えている。
ドイツ・リートに関しては、また別の日に新しく歌い初めという事になる。ドイツ・リート、特にシューベルト3曲に関しては、イタリア歌曲&イタリアオペラとは全く違う勉強をしなければならない。3曲とも、曲自体は既に形としては出来あがっているので、後は細かい音楽性や表現、ドイツ語のウムラウトの修正などより細かい丁寧な暗譜作業と共により完成に近づけていかなければならない。
イタリア系とドイツ系、日によって別々に練習する事にまたしなければならない。


取り敢えず、今年の歌い初めは無事終了。
帰宅してせんねん灸で喉のケアを行ったら、喉の疲労感も無くなった♪
去年のシューマンのリサイタルについて、北海道の妹から、
「録音は無いの?」
と聞かれてしまった(苦笑)去年ウィーンにレッスンに行った時に妹から、
「外国に行った事が無いからウィーンの写真が見たい」
と言われたのでレッスン通学路のウィーン市内の写真にコメントを書いて妹に送った事からだろうと思う。
近いうちに、北海道の妹に聴かせても恥ずかしく無いような、自主録音が制作出来るように頑張らなければならないと考えている。
ヴォイス・レコーダーだと、私の声の録音の音が割れてしまうので、流石にヴォイス・レコーダーの録音を北海道の妹に聴かせる気には、ならない(爆)

ウィーンから頂いたM先生とピアニストEさんからのお年賀メールでは、ウィーンは−10℃の樹氷の世界だそうだ。

今年も、何とか精一杯頑張ろうと思う。