晴れの日はANDANTE

私のライフワークである歌曲やオペラ、日々の練習やレッスンについて、気ままに綴っていきます。

2009年02月

【こびと】の転調vol.33

今回ウィーンのレッスンに持って行く曲としてシューベルトの【こびと】を選んだ事は、初リサイタルを終えた私自身にとって次の課題への限り無く不可能とも考えられるチャレンジの一つである。今回のウィーンでのレッスンにシューベルト【こびと】を持って行きたい意思は既に谷岡先生にお伝えした。しかし谷岡先生から返って来た言葉は、
『あなたが今後歌っていくシューベルト歌曲の方向性の一つとしてね』
だった。それは自分でも十二分に分かっているつもりだ。果たして【こびと】をウィーンにレッスンに持って行った所で結果は知れている。無論評価なぞして貰える筈も無い。第一まともにレッスンも受けていない、演奏会本番にも乗せていない、それ以前の問題で私は【こびと】を歌える声は持っていないのかも知れない。その可能性も充分に考えてそれでも尚諦め切れずに【こびと】を歌えるようになりたい。例えどんなに高い壁でも困難な試練でも不可能な希望でも私は決して諦めたく無い。私はジェシー・ノーマンと握手した時あの両手に約束した。カラヤンがザルツブルグでキスした両手に。何があっても決して歌う事を諦めない。それ程にノーマンの歌声は美しく、ノーマンの【こびと】も美しいから。続きを読む

【こびと】の転調vol.23

【こびと】は【魔王】や【死と乙女】同様バラード形式。歌手は語り手・こびと・王妃の3役を歌い分けこなさなければならない。更にこびと役と王妃役の声の音域がバリトンとソプラノ程ある。加えてシューベルト御家芸の転調が目まぐるしく繰り返される。
この【こびと】の楽譜は譜面はC表記(7音のドから始まる)なのだが、曲そのものが演じる語り手・王妃・こびとのパートに変わる度に曲が転調するので音符にやたらと♯や♭が沢山ついているので譜読みが大変である。特に伴奏譜は大変(苦笑)無論、歌も例え1小節でも転調の前奏部分があるにせよ音を追い掛けるだけでも大変な作業である。【こびと】全部丸々1曲耳と体と頭で覚えきらなければ歌う事は難しい。しかも3役歌い分けなければならない。
私は【こびと】を歌う練習をし始めた時に転調について行くのが精一杯で役柄まで歌い分ける事は不可能だった。無駄な力は入るし声の響きは不安定になるし。一体どうやって勉強したり歌ったりしたら良いのか皆目見当が付かなくなり困惑した。そこで一つ思いついた事が、私は【こびと】の転調をやその法則性を全く理解認識出来ていないではないか、転調に法則性が存在するのではないのか?と真剣に考えた。続きを読む

【こびと】の転調vol.13

今日は18日振りの日勤だった。最近昼夜逆転の生活を強いられて来たので久々の昼間の仕事はカンペキに目の焦点が合って無かった気がする。それでも笑顔で98歳のおばあちゃんを持ち上げる辺り看護師としてはまあまあかなぁ(爆死)と思う。
さて、いよいよウィーン行きまで1ヶ月を切った。昨日は何とかヘンデル・プログラムの先も見えたし、ヘンデルに関しては余り多くの課題では無くて少ない課題だが修正が難しいという事をミルヒー先生から指摘されたので後は時間をかけて課題に取り組む予定。で、来月ウィーンに持って行く予定のレッスン曲に取り掛からなければならない。先日リサイタルで歌ったベートーベンとシューベルト以外に、私が涙が出る程苦手なモーツァルトのドイツ歌曲2曲と新たにシューベルトの歌曲1曲をウィーンのレッスンに持って行く。早急に譜読みを再開しなければならないのだが、休日は来月まで無いので今は楽譜のチェックと有名歌手の演奏を聞くしか無い。ウィーンに持って行くレッスン曲は、モーツァルト【菫】【ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時】、シューベルト【こびと】である。私はモーツァルトに対する苦手意識が超強力なので、レッスンを受ける必要性がかなり大きい。続きを読む

3ヶ月振りのレッスンvol.25

だから私もミルヒー先生に話した。「前にヴェルディ歌った時にまだ響きが太いって言われたので・・・それでなるべく響きを細くしようとかなり心掛けたので・・・」ミルヒー先生には内緒だが、ドイツ歌曲とドイツオペラアリアの初リサイタルでかなり声を細く仕上げる事に務めた事も恐らく無関係では無いだろうが。
『そういう細さじゃないのよ。クレオパトラ歌うのよ!クレオパトラなんだから、思いっ切り出来る限り声出して!』
と言われてかなりドン引きしたのだが、かなり久しぶりに声の響きを細くする事に神経質にならなくても良いのかあぁ〜♪と思い喜び勇んで声を出したら、ミルヒー先生から一発OK(爆)これだけの太さの声をきちんと響かせようと思ったらぶっ倒れる位の体を支える力が必要なのだが、具合いが悪いにも拘わらずクレオパトラを歌っていて非常に心地良かった。今更ながら、ミルヒー先生が私の声質を《スピント》と評価して下さった事に得心がいく、そんな思いを強く持った。
恐らく、先日の初リサイタルであれ程までに苦しんでいなければ初リサイタルを歌い切る事も不可能だったし、イタリアオペラのレッスンをこれだけ休んだ後に今日のように歌う事もミルヒー先生の評価も無かっただろう。続きを読む

3ヶ月振りのレッスンvol.15

本日は約3ヶ月振りにミルヒー先生のレッスンだった。ところが・・・体調不良どころか超具合い悪い(死)頭痛・胃痛・吐き気・暈で途中下車して予定よりも20分程遅れてスタジオに到着した。連続夜勤と初リサイタルの蓄積疲労は一体いつになったら取れるのやら。
スタジオに到着してミルヒー先生が超心配して下さった。
『随分痩せたんじゃないの?大丈夫?立って歌える?』
自分では鏡を見てなかったのだが相当顔色が悪かったらしい。でも、初リサイタルでミルヒー先生のレッスンがかなり開いてしまったし、この先ウィーン行きもあるので今日を逃すと次のレッスンがいつになるか全く分からなかったので、半分死にかけてはいたのだが頑張った。
発声練習からミルヒー先生にかなり驚かれた。
『どうしたの!体調悪いのに声は今までで一番いいじゃない!』
唖然と見られた(苦笑)流石は《100回のレッスンより1回の本番》と言われるだけの事はある。最もミルヒー先生にはドイツ歌曲やドイツオペラの勉強は内緒だし、初リサイタルも当然内緒である(自爆)但し、ドイツ系とイタリア系では発声がかなり違う。何しろレッスンを受けている先生方も違うのだから当然と言えば当然の事ではあるのだが。続きを読む

ヘンデル・プログラム再開vol.23

本来なら今私が勉強しているのはヴェルディのオペラ【リゴレット】【椿姫】のアリア2曲であるはずなのだが、発声がままならず譜読みにも苦労している情けない有様。例えどんなにジルダやヴィオレッタを何百回練習したとしても今の自分の発声ではアジリダは不可能、だから敢えて一度歌ってかなりのレベルアップに繋がったヘンデルでせめて多少でもベルカントに近付かなければ、ヴェルディを歌えない、後が無い。ジルダとヴィオレッタが歌えなければ、その他のヴェルディは先生方から許可が出ないしプッチーニなどヴェリズモは歌え無い。この最大の難関をクリアしない限り私はイタリアオペラで同じ課題に振り回される事になる。幾らアマチュアであっても流石に私にも意地がある。ここで立ち止まっている訳にはいかない、そう思うと例えどんなに疲れていても体が動かなくても、のんびり休んでいる事なぞ出来ない、もっての他という事になる。
そういう訳で今日はスタジオ予約時間ギリまで寝てヘンデル・プログラム練習を再開した。幾ら寝ても疲労は取れず頭痛と怠さはかなりのものだったが、流石に初リサイタルを乗り越えただけの事はある。いつもミルヒー先生に教えられていた声の響きが少しだけ見えた。続きを読む

ヘンデル・プログラム再開vol.13

2月15日初リサイタル終了後から4日連続夜勤だったので、かなり疲労困憊だった。本番前まで3日間休日だったが、休んでいた訳では無くかなり緊張状態で歌いまくり動き回っていたので、体を休めていなかった。リサイタル本番が終わった後も緊張と興奮がなかなか途切れなかったのでその後の4日連続夜勤は普段の何倍もハードだった。昨日ようやく夜勤明けで朝にギャラリーカフェに預かって貰っていたドレスや靴やアクセサリーを取りに行ったのだが、どうやら私は相当疲れていたらしくギャラリーカフェのオーナーとプロデューサーがかなり心配していた。確かに自分でもかなり疲労感は感じていたのだが、そんなにヒドいとは思ってなかったので何だかお二人に御心配をおかけしてしまって大変申し訳ない事をしてしまった。自宅に着いてすぐに気絶状態で夜まで眠った。夜中近くなってようやく目が醒めた。かなり眠りはしたが体が動かない。でもやらなければならない事は相変わらず山程ある。ウィーンへ行く準備、ヘンデルの練習再開、シューマンのリサイタル用選曲、音源の作成、楽譜の作成とチェックなど挙げるとキリが無い程作業が多い。体は動かないし頭は働かないし眠い、でもここで怠ける訳にはいかない。続きを読む

打ち上げvol.35

流石にそれは知らなかった。私は曲の歌い始めしかピアニストを見る事はなかったから。そんな風に伴奏するピアニスト先生を、オーナーもプロデューサーも初めて見たという事だった。
帰りにギャラリーカフェのオーナーがお祝いに下さった大吟醸の一升瓶を抱えてフラフラ(恐らく)帰った。帰り道も、あんまり嬉しくて嬉し過ぎて涙を流しながら帰って来た。自分は歌を歌っているというだけで何と幸せな人間なんだろうか、そう実感した。
これからまだまだ苦しい事が沢山続くだろうと思う。谷岡先生もハリセン先生もピアニスト先生も、今後はもっともっと厳しくなるかも知れない。それでも、それは今日のような本当に《楽しい音楽の時間》のためなのだから、頑張って行けると思う。リサイタルを聞きに来て下さったお客様の中には物足りない方もおられたかも知れない。これからはほんの少しだけ、誰かに聴いて頂くために歌う事を考えて勉強して成長出来たらいいなと思うようになった。
本当にこれでとても前向き(?)な気持ちでウィーンに行く事が出来そうな気がする。ピアニスト先生も、
『いいなぁ、ウィーン、頑張って来てね』
と励まして下さった。リサイタルと同じ、自分に出来る精一杯勉強したい。続きを読む

打ち上げvol.25

ピアニスト先生が続けて言われた。
『だから、あなたも次のリサイタルからはギャラリーカフェに頼らないで、自分でチラシ1000枚くらい作って自分で撒くのよそうすれば10人くらいは来るから。5〜6年続ければ少しづつ蒔いた種がね、芽を出して来るのよ!!!』
何だか涙が止まらなくなった。当然ピアニスト先生が言わんとしている事は、聞いてくれる客数を増やす、という意味では無い事は言うまでも無い。せっかくアンケートを取ってまで自分を磨いて行く気があるのなら、決して他者との比較ではない思いで自分の演奏を聴いてくれる人々を自分の更なる努力で切り開いて見つけて来なさい、そういう意味だと私は解釈している。私は今まで勉強するために演奏会本番を行って来た。どの先生からも《100回のレッスンより1回の本番》と言われ続けて来たからだ。本当は本番は好きじゃない。だから人に自分の歌を聴いて欲しいと感じた事は余り無く、観客は少なければ少ない程いいし、会場も小さければ小さい程いい。決して好きでは無い本番ならば、自分の身の丈に合った演奏会がいい、それに疑問を持つ事は無かった。でも恐らくピアニスト先生が言った新しい努力から私が得なければならない何があるのだろう。続きを読む

打ち上げvol.15

谷岡先生がお帰りになった後でピアニスト先生と打ち上げに行った。まずは1週間振りのビールで乾杯!その時ピアニスト先生が私に言った。
『2ヶ月前から比べたら大分成長したんじゃない?』
ホントにその通りで、自分が2ヶ月前にどんな歌い方をしていたのかもう思い出せない(笑)私はピアニスト先生に「去年初めて合わせをしてから1月始めの2回目の合わせまで、12月の終わりから1月始めくらいまでが一番苦しかったです。もうどう歌っていいのか全然解らなくて、毎日毎日どうしようどうしようと悩みながら、泣きながら練習してました。でも、あの時ちゃんと苦しい思いをしておいて良かったと思います。あの時あれだけちゃんと苦しんだからこそ、今日の自分があったと思います。のだめじゃないですけど、本当に楽しい音楽の時間でした。ありがとうございました」そう話した。するとピアニスト先生が少し黙ってから、初めて見せて貰ったような表情で、
『こんな話って、そういう苦しみをした人にしかわかんないわよね!毎日毎日こんなに苦しい思いして沢山練習しても、ほんのこれっぽっちの進歩か、歌って後退する事もあるでしょ?でも私達凡人だから、頑張る事ですがれるものがあるのよね。幸せよね』続きを読む

反省会vol.25

そして谷岡先生とピアニスト先生の一致した意見が、
『あなたにはシューベルトが合っている』
という事だった。これはかなり嬉しかった。ピアニスト先生が谷岡先生に『菩提樹はホントに声に合ってると思う』
と言って下さった。何だかもっともっとダメだった所を指摘されるかなあぁ〜と思っていたのだが(超苦笑)
ただ、私が【フィデリオ】マルツェリーネのアリアのレッスンでハリセン先生にもっと細く軽く綺麗に歌いたいと話したら『だって声が響かなくなるんだから仕方が無いでしょ』
と言われてかなり凹んだ事を話したら谷岡先生が『あなたが今以上にかわいらしく歌おうとかしてしまったら、それは飽くまで作りもので偽物になってしまう。だから、あなたが自分らしく自分の声で歌う事が一番。確かに、有名な録音なんかではきちんと演出されていてイメージが出来上がっているけれど、それは確かにその通りなんだけどそれに振り回されてはいけない。でも、歌い手は振り回されてしまう事は多いけれど』
という、谷岡先生の本音ともリンクする話だったと思う。
ピアニスト先生は、
『去年プロのコントラバスの人の伴奏で菩提樹の伴奏をしたんだけど、その人が全然ドイツ歌曲の勉強しない人で』続きを読む

反省会vol.15

控室で着替えてから聞きに来て下さったお客様とお話しさせて頂いた。まずピアニスト先生に谷岡先生をご紹介した。すると谷岡先生がピアニスト先生に、
『ウチの妹が大変お世話になってます。ありがとうございます。』
と言って下さった。側で聴いていた私は本当にびっくりしたのだが、私が谷岡先生を好きで、信頼して、頼りにして、尊敬して、甘えて、それも含めてそのように言って貰えた事に本当に驚いて、でも本当に嬉しくて、自分の想いが谷岡先生に伝わっていた事が余りに嬉しくて涙が出そうになった。お客様とお話ししている間、谷岡先生とピアニスト先生は何やら意気投合して色々楽しそうにお話しされていたのだが、最後のお客様をお見送りした後に反省会になった。谷岡先生は少し興奮されたご様子で色々話して下さったのだが私は興奮気味で実はあんまし覚えていないんだけれど、『あなたはちゃんと曲を表現する事が出来る。レッスンでは発声や歌詞にこだわったりしているから出せなかったのかも知れないけれど、わざと何かをしなくてもちゃんと内面から出て来ている。だって、レッスンでやってない事を今日の本場ではちゃんとやっていた』と言われた。これには言われた私自身が非常に驚いた。続きを読む

初リサイタル終了後5

最後にピアニスト先生に一言コメントをお願いしたのだが、
『一緒に歌曲の勉強が出来て楽しかった』
と言って下さった。初リサイタル終了後聞きに来て下さったお客様一人一人に挨拶させて頂いた。今回アンケート用紙を作成したのだが、来月ウィーンでレッスンを受けるために渡欧する事を話したら皆さん快くアンケートに御記入して下さった。聞きに来て下さったお客様を全てお見送りした後で控室に戻った時にピアニスト先生が、
『フィデリオのアリア、今までで一番良かったんじゃない?湖上にても、今までの中で一番ピッタリ合ってたわよね!』
と言って下さった。自分自身でも同じ事を感じていた事が嬉しかった。フィデリオのアリアとトゥーレの王は、恐らくレッスンや合わせ練習よりも遥に良い出来だったと思った。勿論、歌詞を間違えずに歌えた事は大きかったのだが(苦笑)ただやはり残念な事は1曲目のベートーベンは緊張のため音程も悪くブレスも続かなかったので、やはり私の1曲目のジンクスは壁が高いと改めて反省した。でもピアニスト先生は違う御意見で、
『そお?落ち着いてて今までで一番良かったと思うけど』
と言われた。同じ事を反省会で谷岡先生にも言われた。少し意外だった。

初リサイタル本番vol.35

最後の歌劇【フィデリオ】マルツェリーネのアリア。ここまで来たら、ピアニスト先生いわく、
『ここまで来たらやれる失敗は全てやった』
から(笑)、もうこの1曲で初リサイタルも終わり。このアリアは、ハリセン先生から、
『だって仕方が無いでしょ』
と言われたいわくつきの曲だが、人間開き直る事程恐いものは無いもんだとつくづく実感した。のだめいわく「正しいカレー」ならぬ、私の中の「正しいマルツェリーネ」は一体何処へやら・・・と自分で笑うくらいには歌った(笑)でも演奏会っていつも最後の曲が一番出来がいい。あと1曲で終わり、という緊張感が消える事、開放感、開き直り、本番までの厳しいレッスンや辛かった思い出、演奏会が終わってしまう寂しさ、歌う事への愛着、自分の歌う事への思いの再認識などなど沢山の思いが詰まっているのが最後の曲だから。ここまで来るともう失うものも守るものも何も無いので(爆)、ルチア・ポップも青くなるマルツェリーネを歌えたと思う。最後の2点G10拍も何とか声が割れずに響かせられたし、私が苦手なキャラの割には頑張れたかな〜と思えた。また、ピアニスト先生のベートーベンの伴奏は格別で正にベートーベン!でとても気持ちが良かった。続きを読む

初リサイタル本番vol.25

仕方が無いだろうと思った。朝から発声1時間、ゲネプロ1時間半、リサイタル本番既に半ばである。いつものスタジオ4時間練習でもここまでフルに歌う事は無かったと思うが、以前レッスンを受けていたバリトンの先生にも言われた《喉が強い》の一言を信じて歌い終わるまで堪えるしか無い事は言うまでも無い。【菩提樹】で最も怖かったのは、体力・喉・精神的疲労によって低音域が不安定になり音程が崩れる事だった。【菩提樹】は勿論、高声用楽譜(ソプラノ&テノール)を使用しているが、それにしてもやはり音域がとても低い曲で、女声でもコントラルトが歌う事が殆どでソプラノの録音は極めて少ない。それでも引くワケにはいかない。ピアニスト先生が、
『菩提樹はあなたの声に合ってる曲だと思う』
この言葉に本当に救われた。本当に疲れを感じ始めた時、人間ってこの一言に本当に助けられて力を分けて貰えるものなんだと実感した。でも歌ってみるとやはり疲労が出て来たのか、中低音域が若干不安定だと実感した。それでも低音域はギリギリ歌い切る事が出来た。しかし《魔王の魅惑》を表現出来たかどうかは怪しかった。【セレナーデ】はFisに全ての集中力を注がなければならなかった。続きを読む

初リサイタル本番vol.15

ピアニスト先生とグランドピアノの前に立った。いつもなら自分の前に数人演奏者がいるし紹介も主宰者がやってくれていたのだが、全て自分でやらなければならない。慣れていない事には開き直って、最低限の挨拶と曲の解説だけで余計な事は一切喋らずに演奏に入った。調子に乗って喋り過ぎる事で一番恐ろしかったのは、9曲の歌詞を一言でも間違えたり忘れてしまう事だった。曲が途切れたり止まったりする事だけは何としてでも避けたかった。
いつも演奏会本番でハリセン先生に、
『1曲目がダメ』
と言われ続けて来たので最初のベートーベン【我汝を愛する】はダメもとは重々承知の上。無論、低音域は不安定でブレスもいつもの7割くらいしか続かない。それでもまだ8曲も歌わなければならない、ここでヘタレている場合では無い。ピアニスト先生しか協力者はいないのだ、と自分に言いきかせて軸足の左足に思いきり力を込めた。
2曲目の【野薔薇】で、リサイタルを聴きに来て下さっていた谷岡先生が【野薔薇】の歌詞を口ずさんでいるのが見えた。これで少しホッとしたのか自分に笑顔が出たのが分かった。自分の先生が近くで見守ってくれる事がこんなにも有り難い嬉しい事なのだと、改めて感じた。続きを読む

初リサイタル直前5

2月15日朝10時に音大のレッスン室を2時間レンタルしていたが寝坊して10:10分に到着、すぐ発声練習に入った。空気が乾燥していたのか体調不良だったのか、発声練習だけ行ったのだが喉のカサつきを感じて発声は1時間で切り上げて残りの時間はストレッチをした。多少早めに音大を出て会場のギャラリーカフェに向かった。
12:30ギャラリーカフェ到着。オーナーとお店の女の子と調律師さんとピアニスト先生が、皆揃ってマックでランチ中(笑)オーナーが私にも特大バーガーを用意してくれていたのだが、残念ながら私は歌う前は例え練習でもレッスンでも本番でも水分以外摂取しない。ものを食べると体が動かなくなる。という事でマックは辞退。紅茶も用意して下さったのだが、真水オンリーで辞退。
早速ゲネプロに突入した。実は会場のギャラリーカフェでピアニスト先生と合わせ練習をしたのは初めてだった。会場でゲネプロを始めてからとんでもない事に気が付いた。会場のギャラリーカフェの響きが余りにも良かったためか、自分の声の響きがブレて聞こえた。そのため自分の声量やピッチが不安定になり自分で歌っていて気持ちが悪くなった。まず会場の響きに慣れる事から始めなければならなかった。続きを読む

いよいよ明日は5

《さあ、楽しい音楽の時間デス》
今日は谷岡先生との最終調整レッスンだった。昨日の夜の発熱でかなり体調不良だった。谷岡先生から、
『今日歌える?』
と尋ねられたが、本番当日に必ず調子が良いとは限らない。調子が悪い時には悪いなりの自己調整が必要不可欠である。だから今日のレッスンも全曲通した。それでも調子が悪い割には歌えていたようで谷岡先生から、
『大丈夫、調子が悪くてもそれだけ声が出てれば充分』
と言ってもらえた。昨日のピアニストとの合わせで歌詞を間違えた事を話したら、谷岡先生も歌詞を間違えて最初から歌い直した事があるという事を話してくれた。まあ本番は何があるか分からない(笑)歌詞を間違えても動じない、振り回されない強さや集中力を養う事も勉強のうちだから。明日のリサイタル本番を谷岡先生が聴きに来て下さる事になった!!!これはホントに嬉しいし心強い。谷岡先生もハリセン先生も本番続きでお忙しいしお疲れだと思っていたので、余計に嬉しい。頑張らなきゃ(滝涙)
谷岡先生のレッスンが終わった後、JTBにウィーン行きの航空チケットを取りに行き、バレンタインのチョコを購入して、美容院に行った後で明日の会場のギャラリーカフェに到着。続きを読む

気圧移動爆進中5

本日リサイタル本番前の最終合わせだった。生暖かい、雨降る寸前の雲、強い風。正に喘息発作発症に敵したお日和で(死)という訳で今日は気管支拡張剤を使用しながらの合わせだった。ピアニストとの合わせの前にスタジオで2時間発声練習だけを行ってからピアニストとのお宅に向かった。到着した時にはだいぶ呼吸も楽になったので、何とか1時間半の合わせを歌い切る事が出来た。ピアニストから『菩提樹、良くなったわ。あなたの声にすごく合ってると思うわ』と言われて超喜んだ(笑)これが本番でも今みたいに行くと良いのだが(苦笑)
そしてやっぱり間違えた歌詞・・・・・(滝汗)間違ったのは【トゥーレの王】少しでも集中力が途切れたらアウト(爆死)改めてゲーテの詩の難しさを思い知らされた。今日の合わせでは歌詞を間違えても何とか曲を途切れさせないで歌ったが、本番もそう無難に行くかどうか、世の中そんなに甘くないだろう(自爆)とにかく、最後の最後まで歌詞の確認を行って行かなければならない。
ピアニスト合わせは、やはり最初の3曲が重くなりやすく遅くなりやすい。それはかなり慎重に集中して最初の3曲に臨まなくてはならない。続きを読む

ようやく・・・・・3

連続夜勤終了(爆死)明日から本番まで仕事は休み。これでようやく体調管理調整態勢に入る事が出来る。
10日は休日でいつもの4時間スタジオ練習に行ったのだが、帰りに青山のカワイまでシューベルトのペータース版の楽譜を購入するために行く予定だった。でもスタジオ練習中から寒気あり。あんまし調子良くなかったし夜勤が続くから無理せず直帰したのだが、帰ったら38℃の発熱(超凹)このリサイタル直前に来て、ようやく喘息発作が落ち着いたのにもう勘弁亀吉いいいぃぃぃ〜〜〜!!!と家で半分死にかけた状態でいた。風邪もひいてないのに発熱を繰り返す。癌かな(笑)
そういうワケで、リサイタル本番にプログラムと一緒にお配りする予定の楽曲解説と歌詞対訳の原稿が大幅に遅れてしまった。特に今回のリサイタルは全てドイツ語で歌うし、日本では滅多に演奏されない曲も半分くらいあるので歌詞対訳は絶対に必要だ。でも、まさか日本の楽譜やCDの訳をそのままプログラムに載せるなど犯罪行為は出来ない(苦笑)もともと曲を歌う前に歌詞のドイツ語の意味は全て調べている。でもドイツ語は話せないので、歌詞の文法だけ参考にさせて貰ってドイツ語の意味は自分で考えて選んで歌詞対訳を作った。続きを読む

禁酒期間突入!5

初リサイタルまで後1週間を切った。昨日から本番前の禁酒を始めた。本番前は必ず禁酒してる。本番に歌う曲数にもよるのだが大体3日〜5日。今回は初リサイタルという事で大事を取って1週間禁酒にした。勿論ウチの冷蔵庫の中にはビールも日本酒もワインもある。しかしこの本番前の禁酒期間だけは酒に手を付けた事が無いし、飲む気もしない。酒が飲め無い事は少しだけ寂しい気がするだけである。取り敢えずリサイタル本番までは連続夜勤なので一番は体調管理になる。とにかく疲労回復に専念しなければならない。何しろ仕事は昼夜逆転の生活だから意地でも睡眠を取らなければならない。集中力と緊張感のためか風邪なんかは全くひかない。本番で風邪ひいた事は無かったと思う。まあ、「●▲は風邪ひかない」からな〜(自爆)今日は夜勤明けで昼頃寝て夕方起きた。リサイタルまでに色々やらなければならない事はまだあるのだが、とにかく夜勤明けの日は頭が働かないし体が動かないので、難しい手の込んだ作業は出来ない。
先日ピアニストとの合わせ練習の時に私が、「出来れば2010年のシューマン生誕200年のメモリアルイヤーにシューマンのリサイタルやりたいので、また先生にお願いしたいのです」と話した。続きを読む

『魔王の魅惑』vol.25

そこで一つ気付いた事がある。気付いたというよりも、気付いてしまった事というか何というか。ピアニストに《魔王の魅惑》と要求された時、正直今すぐそれを声で表現するのは自分には不可能だな、と単純に考えた。でもリサイタル本番までもう時間が無い、取り敢えずやれるだけやってみるしか無い、では魔王はどう歌うか、無理か、いやいや、イメージだけなら確実にある。それはジェシー・ノーマンが歌うシューベルト【魔王】のイメージだ。ノーマンの真似など逆立ちしても到底不可能ではあろうがせめてノーマンの100分の1でも1000分の1でも、勇気を出して魔王の声に挑んでみよう!と開き直った。運が良かったか偶然かは解らないが、少なくともピアニストには《魔王の魅惑》の片鱗だけでも感じて貰えたのかも知れない。それは非常に嬉しい出来事だった。
しかし、私がピアニストとの合わせ練習の後で帰り道に歩きながら考えていたのはその事では無い。全く違う事に気付いてしまったと言った方が適切のように思う。
少なくとも【菩提樹】のような難曲で私自身がピアニストの要求に即座に適応するなど土台不可能な事である。しかし、今日のように僅かながらでも対応する事が出来た理由は何だろうか?続きを読む

『魔王の魅惑』vol.15

本日は珍しく日勤の次の休日。ピアニストとの合わせだったのだが、前日が夜勤ではなかったので非常に体調が良かった。前回ピアニストとの合わせの時、合わせ前に2時間発声と曲の練習をしてから伺ったら、ピアニストとの合わせが1時間半ぶっ通しだったため最後は声が枯れてしまったので、今日はスタジオで発声練習を1時間だけ行ってからピアニスト宅にお伺いした。少し早めに駅に到着したので初めて歩いて駅からピアニスト宅に行ったのだが、通り道の団地の中道を1本間違えてしまいエラく遠回りしてしまい慌ててピアニスト宅に到着してしまった。自分のマヌケ
無論到着してすぐ合わせ練習開始(笑)最初は息切れしながベートーベンを歌っていたのだが、前日が夜勤でないという事でこれ程差が出るものなのか?と思うくらい回復が早く、2曲目のシューベルトの時には、
『大分良くなったじゃない!』
とピアニストから数少ないお褒めの言葉を頂いた(号泣)リサイタル目指して良かった〜と思わず涙が出そうになった。自分って単純バカ
今日の合わせ練習は比較的トントン進み、主に細かいチェックだけでピアノ伴奏に慣れるために、ピアニストも私も双方納得するまで繰り返し通し練習になった。続きを読む

神様が呼んでるから行かなきゃvol.25

今私自身これだけ苦しんで泣きながら悔しい思いをして、それでもリサイタルの9曲に向かい合っている。余りに辛いと途中で放り投げ出したくもなるし、逃げたくなるし、誰かに頼って助けて欲しくなってしまう。でも私を助けてくれる人は存在しない。私が今この大きな試練から助かる方法はたった一つだけ。無事リサイタルで演奏しきる事だけである。だから私がいくら苦しんでも結局のところきちんとリサイタルで演奏出来ない事には仕方が無いのだ。今までそれに耐える事が出来ずに御迷惑をお掛けしてしまった方々もいらっしゃる。その方々にはこの場をお借りして本当に心からお詫び申し上げたいと思う。自分の至らなさに情け無くなる。のだめカンタービレでシュトレーゼマンが言った、
『楽しい音楽の時間デスよ』
そこにたどり着くまでの正に「苦しい音楽の時間」の真っ最中である。本当に今回のリサイタルに比べたら、今まで年2〜3度の演奏会に自分の好きな曲を4〜5曲歌っていた事が懐かしい楽しい想い出に思えて来た。勿論、その時はそれなりに苦しくはあったのだけど。それでも、今回のリサイタルとウィーンでのレッスンで本当にどれだけ沢山の方々が私に力を貸して下さっている事か。続きを読む

神様が呼んでるから行かなきゃvol.15

先月末久々の喘息発作が出てから連続4日夜勤が一段落終了。今ウチの病棟の若い看護師さん2名が妊婦さんで夜勤が出来ない事、そのため看護スタッフも足りないので1月は休日も減らされた。12月からは休日は全てスタジオ4時間練習か谷岡先生&ハリセン先生のレッスン後にまたスタジオに戻って練習。休んでいないので体力低下は避けられない。しかし、不安で不安で休む事が出来ない。日勤より夜勤が倍くらい多いので昼夜逆転で睡眠薬を4〜5錠内服しないと夜眠れない。疲労とストレスがMAXになると喘息発作を起こす。それでも去年の夏に比べたらまだ体調はかなりマシ。リサイタル本番、9曲の暗譜、谷岡先生、ハリセン先生、ピアニストの指摘や要求に対する勉強と課題の克服、自分自身が歌いたい方向性と楽曲の解釈、発声問題。
今、日常生活の全てを見ない事にして仕事と歌だけに集中している。もうリサイタルの9曲を歌う事は疲れて来た。「飽きた」とか「つまらない」という意味では無い。はっきり言って「キリが無い」というのが正直な所だ。「のだめカンタービレ」で千秋がのだめに「楽譜と正面から向き合え」と言っているのだが、正にそれである。歌詞、一つの言葉、言葉が何故その音なのだろうか?続きを読む
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