晴れの日はANDANTE

私のライフワークである歌曲やオペラ、日々の練習やレッスンについて、気ままに綴っていきます。

2009年10月

ヘンデル全曲通し練習。

今日は今月最後の休日。台風20号通過時は、多少痰が増えたものの夜勤は無事こなした。昨日、新入院の認知症の患者さんに一晩中振り回されて多少疲労困憊だったが(爆)、喘息発作も咳もひとまず落ち着いたカンジ。

今日は、12月のヘンデルのリサイタルで歌う9曲を通し練習開始。本当は今月初めに9曲通し練習を始める予定だったのだが、台風18号の上陸による喘息発作&風邪で、予定がかなり遅れてしまった。もうダラダラ休養してる無駄な時間は一刻も存在しない。
3時間のスタジオ練習で、15分発声練習してからヘンデルのオペラアリア9曲、前半4曲・休憩15分・後半5曲、と本番の予定に沿って歌った。占めて、1時間30分。
改めてヘンデルのアリア9曲歌ってみて、殺人プログラム・・・(爆死)と思った(滝汗)
以前、ミルヒー先生にも指摘された事なのだが、

「リサイタルの前半は、発声練習程度にしておかないとね〜・・・」

あははははは。さっすがミルヒ〜先生♪
しかも、ピアニストのオクレール先生が、先月の初ピアノ合わせで、

「僕って、すごく大変かも」

あっははははは。さっすがオクレ〜ル先生♪
・・・・・・・・・・。笑っている場合でも無い。
リサイタル前半は有名な曲があり、リサイタル後半は5曲ともドラマティックなクレオパトラの壮大なアリアが続く。今日一番考えさせられた事が、リサイタル後半「エジプトのジュリアス・シーザー」のクレオパトラのアリア5曲のエネルギー配分。これを間違うと、最後2曲が最もドラマティックな曲なのに、最後で息切れしてしまう事は避けられない。余程頭を使ってエネルギー配分をしないと、非常にみっともない御粗末なリサイタルになってしまう。今日9曲歌ってみて改めて認識させられた。勢いだけでは最後まで歌い切れない。
でも、私がこのかなりシビアなプログラムを断行した理由には、自分の声を鍛えて育てる、という目的が非常に大きなウェイトを占める。今後、ミルヒー先生からヴェルディとプッチーニを、谷岡先生&ハリセン先生とウィーンのM先生・N先生・B先生からバッハからワーグナーまでのドイツ歌曲とドイツオペラを学んで行くためには現状の自分の声だけでは非常に不十分であり、ウィーンのB先生に指摘されたのだが、

「シューベルトの魔王や、ベートーベンのフィデリオのレオノーレなどは、今後声が育って行けば可能性としてはあるかも知れないが・・・」

との事だった。だから、今現状自分が出せる声で可能な曲を歌うだけでは無く、将来的に自分が歌いたいと思う曲を歌うために可能な限り自分自身で自らの声を成長させるべく鍛えなければならない。
今後、喘息発作がこれ以増悪するようであれば長生きは不可能。せめて死ぬ前に一度だけでもワーグナーは歌いたい。ミルヒー先生からヴェルディのオペラアリアに関しては全て勉強の許可が出ており、プッチーニはトゥーランドット姫の勉強も許可されている。これらの曲を歌うためにも、是非とも自分の声を今以上に鍛え上げなければならない。
取り敢えず。ヘンデルのアリア9曲1時間30分歌い終わって、喉が死にかけた。そこで30分程休憩してから、最も歌えていなかったクレオパトラのアリア2曲をもう一度お浚いしてからスタジオ練習を終わった。
まあ、後はもう暫く本番まで努力を続けるしかない。後は丁寧に歌い込んで行くだけだから。それと体調管理。今後は、ヘンデルのリサイタルが終わったらすぐに2度目のウィーン渡欧レッスンの準備をしなければならない。シューベルト歌曲は最低7曲以上、ベートーベン歌曲2曲、モーツァルトのオペラアリアは最低4曲以上、これだけは最低限来年のウィーンでのレッスンに準備していかなければならない。この他に出来ればバッハの歌曲、モーツァルトの歌曲、下手をするとモーツァルトのスザンナやツェルリーナ、ヘンデルのアリアをレッスンする可能性も皆無では無い。マジで、ヘンデルのリサイタルが終わっても休むヒマも無いどころか、ウィーンに行くまでもっともっとハードでシビアな日々になる事間違い無し♪
嗚呼、体がもう1個欲しい、または、1日48時間欲しい・・・(爆死)


昨日、夜勤明けで朝ホールで患者さんの食事介助をしていた時の話。
テレビのニュースで、のりぴーの初公判のニュースをやっていた。そこで、のりぴーが「介護の仕事を勉強したい」との報道。
・・・・・・・・・・・・・・・・。介護の仕事も、よくよくナメられたものだなあぁ〜〜〜・・・、と呆れ果てた。幾ら裁判対策とはいえ・・・・・(絶句)
私よりも、ウチの病棟の看護助手さん達が大激怒していた。

「あんな派手な芸能人生活してた人間が、介護の仕事なんか出来るワケ無いじゃん。介護の仕事をナメるのもいい加減にしろ!!!」

と、介護福祉士の資格を持つ看護助手さんも含めて、皆ブーイングの大合唱♪私は、食事介助をしながら一人冷やかにニュースを観ながら鼻で笑ってただけだけどね〜。
第一、覚せい剤に手を出すような、薬にだらしが無い人間に介護や看護などの医療業界の仕事なんざ死んでもやって欲しく無い。のりぴーが勤務した病院やら施設から、麻薬や劇薬や睡眠薬や向精神薬が原因不明で紛失したら、一体誰が責任取ると思ってるんだあぁ???バカが!!!誰が雇うかいな。アホらしい。


昨日のスポーツニュースでは、浅田真央選手の会見がほぼどの局でもやっていた。
私も最初は、真央ちゃんがトリプルアクセルジャンプを失敗するのは、真央ちゃんの精神的な問題やら課題やらが大きい、と思っていたのだが、ここ最近は実はそれはかなり大きな考え違いなのではないのか???と思うようになった。
練習ではトリプルアクセルが飛べる、でも本番ではトリプルアクセルが飛べない。精神的緊張が原因ならば、その精神的緊張に対応した対策が取られて然るべきで、あれだけのコーチやらフォロー体制が整備されているのだから、テクニカル・メンテナンスは完ぺきかと思ったのだが、見ている限りどうも不思議。メンタル面が問題ならトリプルアクセルジャンプのどの部分に最も気おくれなり躊躇いが出るのか映像も含めて解析可能だと思うのだが、メンタル面のフォローだけではトリプルアクセルの成功率が上がらないという事は、即ちテクニカル面での問題が存在するという見かたが妥当では無いのか、と私は考える。要するに、メンタル的に弱い部分を補うテクニックに不足している、という事。
歌も似ていると思うのだけれど、苦手な部分、例えば高音域、低音域、アジリダ、ロングブレス、レガートなどはテクニックが苦手なら気力でカバーする部分も大きいし、逆に気持ち的に逃げてしまうなら、苦手な曲やフレーズをカバーする為の技術なりテクニックなりを考えるものである。だから、メンタル的なフォローアップで解決しないならば、それはもう一度テクニカルな基本に戻るべき、というのが常道だと考えるんだけどね。
でも、一番大切な事は、浅田真央選手本人の最優先事項、もっともやりたい事は何なのか、という事だと思う。トリプルアクセルジャンプを成功させる事なのか、今年も世界女王になる事なのか、オリンピックで金メダルを取る事なのか。全ては繋がっているけれども、人間そんなに欲張る事が出来ない事がある。オイシイとこ取りだけでは人生は済まされない。真央ちゃんが一番やりたい事が出来るのが一番いいなあぁ・・・と思う。

そろそろ、リサイタルのプログラムや楽曲解説や歌詞対訳などの制作準備しなくちゃ〜・・・。
来年は、2月末〜3月初めにかけてウィーンに行く予定。早くウィーンのM先生に御連絡しなければっ。




通常練習へ

今日は連続夜勤の中休み。
まだまだ咳と痰は続いているんだけど、咳が減って来たせいか喉の痛みが取れた事や、もういい加減歌いたくてウズウズしている事(笑)、余り無理をしないで飽くまでヘンデルのリサイタル本番に向けて調整を行って行く事を決めたので、今日からスタジオ練習を3時間に戻した。
スタジオに行く前に、ヘンデルのリサイタルを行うギャラリーカフェに行き、会場費用とピアノの調律代金〆て¥35000(!!!)を社長にお支払いして来た。

アマチュアで歌い続けるには、ホントにマジでお金がかかる。

来月11月に入ったら、もうピアニストのオクレール先生との合わせ中心の練習にシフトして行かなければならないので、自分自身で細かい練習を行えるのは、今月まで。その事もあって、今日は難しい曲3曲に絞って練習を行った。とは言うものの、ヘンデルのオペラアリア、難しく無い曲なんざ無いんですけど(苦笑)
リナルドのアリア1曲とクレオパトラのアリア2曲。この3曲は結構なハイレベルのテクニックを必要とされるので、やはり丁寧に練習して歌い込んでおかなければならない。しかも今日集中的に練習した3曲は、今まで演奏会本番に乗せた事が無い曲だから。
ただ、時間をかけて勉強して練習して来ただけあって、全体的な流れとしてはそれ程不安は無い。咳が無くなればもう少し本調子で歌えるようになるし。細かい音符を一つ一つ丁寧に歌って行く事がバロックでは本当に重要なんだなあぁ・・・と改めて実感する、この3曲。タダでさえ、バロックを歌える「天使の声」的ソプラノでは無いのだから、こ〜ゆ〜細かいトコロは外せない。ちょっと、やっぱり自分って声質的に損してるのかなあぁ〜〜〜???と凹んでしまうトコロも無くは無いのだが、もう歌うっきゃ無いんだから後は努力あるのみ。
それでも、咳のために喉が本調子ではないからなのか、却って体に余分な力が入らないような気がした。以前先生に言われた事なのだが、

「調子の悪い時には悪いなりに調整しておけば、調子の良い時にはきちんと歌える」

との事で、やはり看護師という職業柄、調子悪の時の方が圧倒的に多いとゆ〜ハイリスクは承知千万なのだからして、調子悪いから練習しない、とゆ〜のは実に誤った考えだと思う。
調子の悪い時こそ、練習練習♪
本当〜〜〜に、私は練習は大大大好きなのだが、本番は大大大嫌い。本番なんて、すぐ終わっちゃうし、レッスン通りにいかなくてもやり直し効かないし、緊張するから楽しくないし、普段履かないハイヒールは履かなきゃならんし、好きでも無い化粧は厚塗りしなきゃならんし。これでも、未だに朝寝てる時間が惜しくて職場に化粧をして行った事が無い。幸い、現在の病棟課長は、スッピンでも文句を言わない!!!(激爆)
で、多少声は掠れる時もあったけれど、取り敢えず苦手なフレーズやアジリダを丁寧におさらいした。4小節以上ノンブレスで歌わなければならないフレーズもあるので、兎に角ブレスを取る体の準備のタイミングを測って自分の体に覚え込ませる作業に終始した。やはり、喘息発作と風邪のミックス状態をようやく抜け出した後なので、呼吸機能全体が多少低下しているせいか、普段よりもロングブレスが続かないが、もともと声量はある方なので、声量を多少落としてその分ロングブレスにエネルギーを回す。有難い事に、会場のギャラリーカフェは非常に響きが良い、音響的には有難い会場だから。
特に、クレオパトラのアリアでは、ミルヒー先生のオーダーもあり、ピアノになっても決して声の響きや体のポジショニングを「抜く」事が出来ない。飽くまでも「ドラマティック」に歌われなければならない。オクレール先生的には、もう少し細く軽く響きだけで歌うように指摘された事もあるのだが、兎に角ミルヒー先生が現状の発声で歌うようにとの御指示なので、多少太かろ〜が重かろ〜が、取り敢えずは今の発声でヘンデル9曲何とか歌い切りたいと考えている。
特にクレオパトラはドラマティックな曲が多い。だから、ついつい力が入ってしまいがちなのでそこが非常に宜しく無いトコだ。私がクレオパトラを歌うなら、もっと自然に軽く細くを心がけて歌っても十分ドラマティックになるのだろうが、これがやっぱりどうも余分な力が入っちゃう。ヘンデルにしては結構暑苦しく聴こえてしまうかなあぁ・・・と思うので、もう少し歌う時に冷静さが必要なんだな、これが。とか思いつつ、結局演奏会本番はなるようにしかならないので、ベストを尽くすしかないんだけど。

今日はヘンデルの練習の後、ちょっとしたキッカケでもの凄く超久しぶりに、イタリア古典歌曲を練習した。特に演奏会で歌う予定は無いのだが、もう3年位はイタリア古典歌曲を歌っていなかった。久しぶりに歌ってみると実に色々な発見があって、とっても面白いし楽しい!!!大概、イタリア古典歌曲は声楽のレッスン初期に課題に出されるものなのだが、私もオペラアリアの勉強の比重が高くなるにつれイタリア古典歌曲を歌う機会は激減した。もっとも、ミルヒー先生はイタリア古典歌曲よりもベッリーニ歌曲の方がお好みなので、レッスンや演奏会の課題になるイタリア歌曲はここの所ベッリーニがメインだった事もあるのだけれど。
でも、以前は歌うだけでいっぱいいっぱいだったイタリア古典歌曲、今歌ってみると、自分がやりたかった事が以前に比べて出来るようになっている!!!という事に気が付いた。ああ、あの頃はこんな風に歌いたかったんだよなあぁ〜〜〜・・・と思う事に少し近づいている。そう思ってイタリア古典歌曲で自分が良く歌っていた曲を4〜5曲軽く歌ってみた。本っ当に、歌い易かったし歌っていて楽しかった!!!これは、いいかも〜〜〜(猛爆)と思った。同じ曲を何度も時間を掛けて勉強する楽しさを、今回改めて教えて頂いなあぁ・・・と感動した。機会があったら、またイタリア古典歌曲を演奏会で歌ってみたいなあぁ♪

とゆ〜事で、これからフィギアスケートのロシア大会フリーを観ます(笑)



我慢の限界

昨日は夜勤明けだったのだが、咳と痰がだいぶ落ち着いて来たので昨日スタジオを予約した。それでも、久しぶりの声出しなのでいつもよりは短めに2時間。少し発声練習をしてみて、いつからオクレール先生とのピアノ合わせを再開するのかを決めなければならなかったし、そろそろウィーンのM先生にも来年のウィーンでのレッスンについてメールをしたかった。何よりも、ヘンデルのリサイタルまで後2ヵ月を切ってしまった。

多少の焦りはあるのだが、今無理に声を出したら元も子もない。しかし黙って寝ているのにはもう飽き飽きした。良い加減、勘弁亀吉。

そう思いつつ今日は昼まで寝て起きてみたら、寒気はするわ頭痛はするわ吐き気はするわ、熱を測ったら、37.9度・・・・・・・・・・。頭に来て思わず体温計を投げつけた。

血液検査をしてもレントゲン検査をしても異常は見つからなかった。オマケにインフルエンザでも無い。異常が見つかれば治療もするかも知れないが、異常が見つからないものは治療のしようも無い。でも熱は出る。体温計が壊れているか、通常の検査では発見されないヤバい病気か、もうどっちでも構わん。ウンザリだ。知るか!!!とにかく喉さえ無事ならもう沢山だ。

そういうワケでスタジオに出かけた。勿論薬は飲んで。安静にして休養を取っても治らないなら、安静にしている必要も意味も無い。だからと言って余り無理も出来ないので、今日はフルに声を出さないよう考えた。2時間のスタジオ練習のうち1時間は来年ウィーンの教会で歌う予定のバッハ「シュメッリ歌曲集」から選曲する事に、残りの1時間はヘンデルのアリアのチェックに充てる事にした。発声練習では、長い間の咳のための声帯疲労で多少声はかすれ気味だったが、2点Aまで普通に出たのでそのまま予定通り練習をした。バッハ「シュメッリ歌曲集」は曲数が多い。しかもウィーンのM先生から、

「CDとか録音を聴かないで、最初から自分で音取りするように」

と、初見でとの指摘があったのでやむなく楽譜のコピーだけで音取りをした。初見なんてやった事が無い。それでも20曲余りの中から3曲選んだ。バッハの「シュメッリ歌曲集」は曲数は多いけど曲は短いので、音取りはそれ程苦労せずに済んだ。日本の全音の「ドイツ歌曲集?」にも1曲だけ掲載されていたので、最初はその曲にしようと思っていたのだが、出来ないながらも何とか楽譜でリズムを確認して音取りしてみると、自分で歌ってみたい曲が少しだけ見つかった。「シュメッリ歌曲集」も日本では殆ど演奏されないが、とてもバッハらしい素敵な小品が沢山あるんだなあぁ、と感動した。ヘンデルのリサイタルが終わったら、早めに谷岡先生にもバッハを見てもらわなければならない。今日は3曲音取りをしたので、後は楽譜作りをしなければならない。
ヘンデルも、余り音域の高く無いアリアを3〜4曲、オクレール先生にピアノ合わせの時に指摘された事を中心に軽くおさらいした。練習時間が2時間ではその位が関の山だが、まだ喉が本調子では無いので仕方が無い。それでも、高音も声量も声の響きも自分が考えていた程には落ちていなかったのでいささかホッとした。薬の飲み過ぎで胃の調子も余り思わしくなかったので、早めに切り上げて帰宅した。

幾ら待っても完全に回復しないので、もう様子を見ながら練習を再開して行くしか無い。
今日帰宅してから、ウィーンのM先生に来年のウィーン行きの事についてメールを差し上げた。
近日中に、ギャラリーカフェとも正式に演奏会の事を詰める予定だ。

ダラダラ休んでいるのは、もう嫌だ。

忘れかけていたこと。

今月初めの台風から風邪と喘息発作を併発して、連日38度近い発熱と咳と大量の痰と喉の痛みで、また10日以上歌う事の出来ない日々が続いている。連日の発熱で喘息発作の副作用の強い解熱剤を使用せざるを得なく、また高熱では無いにしても連日の発熱で、インフルエンザの可能性もあると病棟の医師から指摘されて検査を受けた。採血もレントゲンもインフルエンザ検査も、全て問題無かった。逆に、きちんと内服治療を行っているのに発熱と咳と痰が改善しないのか、医師からも疑問視されてしまった。無論、私も非常に疑問視せざるを得ない。毎日内服している1日の薬の量、喘息の薬2種3錠、咳止め6錠、去痰剤6錠、抗生物質2錠、消炎剤3錠、総合感冒薬2錠、その他胃薬、下剤、安定剤etc・・・。本当に、胃に穴が開くか胃液を吐くような薬の量を毎日内服し続けていて、それでも咳は止まらず痰の量は減らず、もう今年は歌う事は愚か声を出す事すら不可能とも思えるような毎日を過ごしている。自分でも、いっそインフルエンザだったらもう今年の演奏会は全て中止できるのに、と思うくらいここの所暗い気持ちで、それでも休む事の出来ない仕事と夜勤をこなしながら生活していた。もう休日を2日も休養に充てている。音楽から少し離れる事にしていた。CDを聴いてもDVDを観ても、気持ちばかりが焦ってしまって休養出来ないと考えたからだった。楽譜も開いていない。ちょっと辛かった。今年のヘンデルのリサイタルを中止する事を考え始めた。来年のウィーンでのレッスンも、まだM先生に御連絡出来ない状態でウィーン行きを見送る事さえ考え始めた。

今日は休日だったのだが余り体調も良くなかった。咳が止まらない。でも、病棟の仲良し看護師仲間と呑みに行った。最近、酒も殆ど呑んでいなかったので少しストレス蓄積気味だった。でも、歌えない、声を出せない苦痛と焦りから少し気分転換が必要だと考えたから。友達とは4時間位呑んで喋って楽しく帰って来た。

今日は、フィギアスケートのグランプリシリーズのフランス大会だったのでビデオに録画して出掛けた。帰宅してから録画を観た。
私は、浅田真央選手の大大大ファン。浅田真央が登場した当初は天才と騒がれていたので余り興味は無かったのだが、浅田真央がキム・ヨナと熾烈な争いを繰り広げてから非常に興味を持ってフィギアスケートを観て来た。私が今録画しても観る番組はフィギアスケートくらいなのだが(笑)私が浅田真央の大大大ファンである理由は、彼女の試行錯誤と紆余曲折と苦しみから逃げない苦しみに真っ向から飛び込んで行き躓きでも何度でも立ち上がるその「意地」と「度胸」だ。フィギアスケートも世界的な大会では、ノーミスかつクオリティの高い演技が期待され注目されて当然だろうが、音楽も勿論そうなのだが結果論だけでは無く「プロセス」というものが存在する。但し、プロセスは注目されるべきものではないのかもしれないが、自分が好きな選手ならデビュー当時からトータルで「見守りたい」と思うものである。金メダルや優勝した選手をやれ加点を貰えるジャンプだの表現力が卓越しているだのという専門家紛いの評価は部外者はメディアから仕入れていかにもらしい事は言えるかも知れないが、私は実際に大会本番でトリプルアクセルジャンプを何度も何度も失敗しながらそれでも飛び続ける浅田真央の、彼女の試行錯誤と紆余曲折と苦しみと悔しさと苛立ちが大好きなのだ。人間って、こういうもので、そんな浅田真央の失敗を何度繰り返し見ても、それでもトリプルアクセルを飛んで欲しい、いや絶対飛べるはずなんだ、いつか確実にいつでも飛ぶ事の出来るスケーターになって欲しいというある意味「希望」を持つ事が出来る。出来あがった仕上がったものに満足して失敗に批評するだけでなく、私にとっては「希望」を持ちたいと思える浅田真央、それくらい彼女のジレンマと感情がスケーティングから伝わってくる選手。

今日、自宅に戻って来てグランプリファイナルのフランス大会の録画を観て、何だか涙が流れた。
私が苦しんでいるのは病気ではなく、何が何でも病気を克服して「歌う気力」を失いかけていた事なのだと、気が付いた。スポーツ選手に怪我はつきもの、歌手に喉のトラブルもつきもの。今までは若さと体力で強引に捩じ伏せて来たものが、もうすぐ41歳になろうとしている体には徐々に負担が大きくなって来たのだろう。特にこの2年間は今まで以上の体調不良となりコンディション調整も非常に難しくなって来た。今年7月千葉でのヤンクミとの演奏会を風邪で喉を痛めながらギリギリの演奏会だっただけに、今回の風邪と喘息の併発は私自身にとって非常に厳しいものである事は間違いが無い。
ただ、今回は止まらない咳と止まらない喉の痛みと歌えない苦しさに、非常にネガティブになっていた。無論、7月の演奏会が非常に苦しかった記憶があるからという事は間違い無い。しかも、ここのところ、非常に不愉快な事や理不尽な事や怒りが続いていた事もあり、疲れ果ててしまった事を自分自身の言い訳にしかけていた感は否めない。
今年7月千葉でのヤンクミとの演奏会をウィーンのM先生に御報告した折にM先生から、

「演奏会中で体験なさったテクニックもあったのでは、と推察致します」

この言葉をすっかり忘れていたような気がする。
7月の千葉でのヤンクミとの演奏会は本当に喉を痛めて大変だったのだが、私には「使命」があった。ウィーンでコンチェルトハウスのB先生にレッスンを受けて来たシューベルト歌曲4曲、特に「こびと」だけは何が何でも歌わなければならない、という「使命」があった。恐らくは日本では歌われないシューベルト歌曲。本来ならば私自身の声質とは違うもっとドラマティックな歌手が歌う歌曲、それでも私が歌う「こびと」を認めてくださったB先生への感謝は言葉ではなく私が演奏会で「こびと」を歌う事だった。本番で「こびと」を歌う前にヤンクミに少しだけ「間」を頂いた。ウィーンのB先生、M先生、N先生、そして谷岡先生とハリセン先生に、祈った。喉が千切れてもいいから「こびと」を最後まで歌えるよう、力を貸してください、と。

今の私には、この気持ちが欠けていた。自ら弱気に逃げてしまっていた。今と同じ状態の喉で、7月千葉でのヤンクミとの演奏会では「こびと」を何とか歌い切った。モーツァルトの演奏会では評価してくださった観客は一人もいなかったが、喉を痛めて歌っても「こびと」を評価してくださった方々は存在した。私のようなアマチュアがシューベルト「こびと」のような大曲・難曲を歌う事は、フィギアスケートではトリプルジャンプのコンビネーション程に困難な事である。十分では無いにせよ、ノーミスで歌う事が出来て尚且つ少ないながら聴き手の方々の耳に残った事こそを、今回の体調不良や喉の不調の「教訓」とするべきではないのか。決して諦めて逃げる時ではないだろうに。

また今日も夜勤だが、声を出せない事に焦り落ち込み後ろ向きになるのではなく、声を出せなくても出来る事に戻りたいと思う。
たかが風邪。されど風邪。でも神様は乗り越えられる人にしか試練は与えない。
私は、ヘンデルを、必ず歌う。

真央ちゃんに、感謝♪

「のだめカンタービレ」最終回

今回の台風が日本に上陸して、マジで今度こそ入院か!!!と思った(苦笑)
先月の連続夜勤の蓄積疲労のせいか、最近風邪気味だった上に台風と共に喘息発作全開。止まらない咳と呼吸困難。午後になると毎日発熱。胃が痛くなるくらい沢山の薬を飲む。何を食べても何を飲んでも、味が分からない。喉は痛いし息は苦しいし体はダルいし眠いし、でも勤務はハードだし(超苦笑)

いっそ呼吸を止めてくれえええええぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!

とホントに思った。今でも咳は続いている。こりゃ暫く練習やレッスンは無理かと(爆死)
これでは、新型インフルエンザ・ワクチンの予防接種も無理かもな〜。毎日発熱してるし(苦笑)
つ〜か、年末のヘンデル・リサイタルまでに治るんかいな???
来年、ウィーンに行けるだろうか。ホントはそろそろウィーンのM先生に、来年のウィーン行きの日程等を相談するメールを差し上げる予定だったのだが、今回の喘息発作でまだメールしていない。
まあ、駄目なら駄目で仕方が無いんだよな。
怠けてるワケでもサボっているワケでもズルしてるワケでも無いんだもん。
真面目に喘息の治療もしてるし。

でも、喘息の重積発作起こって下手に人工呼吸器でも装着されたら、超エラいこっちゃ。
喘息の重積発作は人工呼吸器の適応なのだからして。
例え命は取りとめても、今のように仕事も無理だろうし、歌う事なんかもっと無理だろうし。
同じ病棟の仲良し看護師達に、御願いだから延命処置はしないでくれえぇ〜と頼んだのだが、却下された(爆)
これは、ちゃんと遺言状を作成しなければ!!!

一つだけ困った事があった。
私が持っている、リコルディやらペータースやらベーレンライターの楽譜や、CDやDVDはどうしようか???全部捨てられてしまうのは、勿体無いし忍びない。だって、流石に楽譜の類は、総額何十万だからなあぁ〜〜〜・・・(滝涙)
それを友達看護師に話したら、昔ピアノを習っていて今自分の息子にヴァイオリンを習わせようとしている友達看護師呑み仲間が、

「全部私に譲ってくださ〜い!!!息子と二人で使わせて頂きま〜すっ!!!」

と言ってくれた(核爆)をを、これは丁度良い〜〜〜!!!
心配事が、吹っ飛んだカンジ(笑)
これは、ますます遺言状を作成せねば!!!
とゆ〜事で、先ほどネットで検索したら、何と隣の駅にありました!!!法律事務所。無料相談も受け付けてくれる♪
とゆ〜事で、近々隣の駅の法律事務所に、遺言状作成の問い合わせに行こうと思う。

今日、仕事帰りにコンビニに寄ったら、「のだめカンタービレ」がやっぱり最終回だった。
つまんないなあぁ・・・・・(溜息)

早く喉の痛みだけでも取って、ヘンデルの練習再開しなくては。
その前に、明日も夜勤・・・・・・・・・・(核爆)



ドンナ・エルヴィーラに助けられながら

今日は谷岡先生のレッスンで、これからはモーツァルトの「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラを中心としたレッスンをして行く事になった。
先週の谷岡先生のレッスンの後に、谷岡先生がハリセン先生と私のモーツァルトのレッスンの事について少し話し合われたとの旨を聞いた。ハリセン先生曰く、
「そりゃ、スザンナを歌えるような発声やテクニックを身に付ける方が先だし、ドンナ・エルヴィーラのようにレガートに勢いで歌える役の方が楽に決まってる」
との仰せだったらしい(滝汗)ただ、谷岡先生が、
「彼女は、どうもスザンナやツェルリーナは合わないので、もっと他の彼女に合った曲や彼女が好きな曲でスザンナを歌えるようなテクニックを身に付けないと、苦しい辛いだけになってしまうと思う」
と話してくださったら、ハリセン先生も、
「それはそうかも知れないね」
と御納得なさって下さったらしい(超苦笑)
という事で、スザンナを歌えるような発声のテクニックを身につけられる曲を今後他に探して行く事になった。谷岡先生曰く、
「ウィーンでなら、スザンナでもツェルリーナでも、あなたなら歌う機会があるかも知れないし、巨体じゃないから合わないという事も無いけど、やっぱりあなたはスザンナ合わないみたいだから今後はイタリア系でもドイツ系でも、テクニックを身につけられる曲を探して行きましょう」
との事だった。別に、スザンナもツェルリーナも、歌う機会は無くても構わないのだが(笑)
やっぱ、ハリセン先生は厳しいなあぁ・・・と思ったが、ホントの事だから仕方が無い。
それでも谷岡先生が言うには、ウィーン帰国後のハリセン先生御教室発表会で、ウィーンでレッスンを受けて来てウィーンのB先生に高声用→中声用に直されたシューベルト「トゥーレの王」を歌った時には、かなり勉強した事が感じられた、と言って下さったらしい。但し、移調の影響による音程の不安定さも指摘されていたとの事。
私が考え込んでしまったら谷岡先生が、
「とにかく、あなたはスザンナやツェルリーナよりもドンナ・エルヴィーラの方が早く演奏会に出して形に出来そうだから、まず出来る事からやって行きましょう。歌う曲の順序は多少人とは違っても、今後苦手な課題をどうして行くのかという問題には違いないのだから」
という事で早速ドンナ・エルヴィーラのレッスンを開始する事になった。

昨日から微熱と喉の腫れと痛みで、夜中目が覚めたらイソジンでうがいしまくりで、今朝ようやく喉の痛みと腫れが引いたので何とかレッスンに来られた。1時間スタジオ練習した時に、そこそこ声は出せたのでレッスンでも体は少しダルかったものの何とか歌う事は出来た。
今日は「Ah,fuggi il traditor!」と「Mi tradi quell'alma ingrata」のレチタティーヴォを中心にレッスンした。前回のレッスンではボロボロだったから(苦笑)それでも昨日のスタジオ練習、2時間といつもよりも短かったのだが、前回のレッスンよりもだいぶ形になって来た。毎日「ドン・ジョバンニ」のDVDを少しでも観ている事も効果があったのだろう。それでもまだかなり複雑なリズムやテンポに振り回されている感は否めない。それでも谷岡先生は、
「ドンナ・エルヴィーラのレチタティーヴォをきちんと勉強出来たら、わざわざスザンナの勉強しなくてもきちんと声をポイントに当てられるテクニックが少し出来るようになれると思う。スザンナで苦しむよりも、ドンナ・エルヴィーラで勉強した方があなたは楽しいし苦労も耐えられるでしょう(笑)???」
と聞かれた。・・・・・・・・・・図星(自爆)
ドンナ・エルヴィーラをきちんと勉強するようになって、改めてモーツァルトのオペラは非常に難しいんだな・・・と感じる事が多くなった。まだまだ音程も不安定な部分も多いし、声の響きを整えて行くのも今後の作業なので、まだ「地」で歌ってる感がある。しかも今は、ミルヒー先生のレッスンで思いっきりヘンデルで声を出しているので、モーツァルトを歌うには声の響きが少し硬いのではないか?と心配したのだが、谷岡先生は全然気にならないらしく、
「良いポジションで声が当たって響いていると思うわよ」
との事で少しホッとした。しかし、結構声を出している。声量を出そうとしている訳では無いのだが、去年演奏会でヴェルディを歌った時に近いような、割としっかりした声の響きに「なってしまう」のだ。自分的には、モーツァルトはもう少し軽めに歌う印象を持っていたのだが、どうやらこれは違うらしいという事は段々判って来た。谷岡先生やウィーンのN先生が、何故私にドンナ・エルヴィーラをレパートリーとして勧めたのかというと、要するにウィーンで言うドンナ・エルヴィーラの声は、私くらいの声の強さと声量が必要な役柄なのだ、という事なんだなあぁ・・・と改めて実感しつつある。今、私自身体調も余り良くないし喉の調子も今一つなので、ドンナ・エルヴィーラは私が歌うのには少し重い役なのではないか???と考えながらレッスンしていたのだが、いざ「Mi tradi quell'alma ingrata」のアリアを歌い始めたら、やっぱり声の響きも一段良く響くようになるし、多少音程の不安定な部分もあるが、難しいパッセージも声が良く回り始める。谷岡先生からも、
「高音域はきちんと張れているし、早いパッセージの所も私は全然心配していないの。しいて言うなら、やっぱり下降音形でポジションが下がり傾向な事と、フレーズの終わりの処理の仕方。フレーズの最後をもう少し自然に丁寧に歌えるように練習して来てね。でも、レチタティーヴォはかなり上手く歌えてると思うから、あまりリズムに惑わされないで、もう少し自由にイタリア語の単語のアクセントに合わせてディクションの練習をする方が効果的だと思う」
と御指導頂いた。
谷岡先生から見て、どうやら私はイタリア語よりもドイツ語の方がはっきり歌詞が聴こえるらしく、谷岡先生はそういう意味では私が歌うドンナ・エルヴィーラよりもパミーナの方が御好みらしい(笑)イタリア語のLの発音をもっと前に出す事やイタリア語のRの巻き舌をもう少しはっきり発音するように指摘された。

まだドンナ・エルヴィーラのレッスン2回目にしては、自分でもこんだけ歌えているのは結構不思議(自爆)なのだが、本当に歌う事は大変なのだが、苦しかったり辛かったりという事は少しも感じないのがとっても不思議だ。勿論、来年ウィーンのレッスンに持って行ったり、来年の演奏会に乗せたり出来るようになるまではまだまだ相当歌い込まなければならないだろうが、私も谷岡先生も、可能な事だと口にださずに了解している節がある(苦笑)自分としては、さっきも書いたが、去年演奏会でヴェルディを歌った時のテンションに近い状態でドンナ・エルヴィーラを歌っているのだが、これがウィーンでのある意味ドンナ・エルヴィーラの声質の目安なのかと思うと、今の自分にはドンナ・アンナやフィオルデリージはちょっと厳しいなあぁ・・・・・と実感した。コンテッサはウィーンのN先生からも谷岡先生からも私のレパートリーとして認められたが、今の自分の声の状態では、とても勉強で手を付ける気にならない。思いの他、ドンナ・エルヴィーラは多少ドラマティックさも含んだリリックな役柄であるとアリア3曲まとめて勉強してみて初めて思い知らされたカンジ。今の自分にはモーツァルトの役柄としてはドンナ・エルヴィーラが限界かな、とも思う。来年ウィーンのレッスンに持って行った時に、ウィーンのN先生やM先生がどのような評価をされるのにも由るのだが。

谷岡先生にも言われた事なのだが、ドンナ・エルヴィーラというキャラクターが非常に私に共感出来たりリンクする部分が多い役柄なのだろうと思う。だから、今このドンナ・エルヴィーラの大変なアリア3曲は私の実力で歌っているというよりも寧ろ、ドンナ・エルヴィーラという役やモーツァルトの音楽に助けられて歌っているんだなあぁ・・・という気持ちが強い。
以前谷岡先生から教えて頂いた話なのだが、
「ヘルマン・プライがね、モーツァルト「魔笛」のパパゲーノの役の依頼が来た時に、パパゲーノはバスも歌うから自分には役が少し重すぎるんじゃないかって迷った事があったらしいんだけど、パパゲーノという役柄に魅かれて、またパパゲーノという役に助けられて、歌う事が出来たっていう事をヘルマン・プライ本人が言っていたそうよ」
という話を思い出した。日本人が歌うドンナ・エルヴィーラもコンテッサもとても軽やかに綺麗に聞こえるが、私がドンナ・エルヴィーラやパミーナを始めとしてウィーンのN先生からレパートリーとして与えられたオペラの役柄は、ウィーン基準で歌えなければならない。今はまだ本当にドンナ・エルヴィーラというキャラクターやモーツァルトの音楽に助けられて歌っている事を心から感謝している。
しかし、少しづつでもドンナ・エルヴィーラを自分自身の持ち役として確実に歌えるようにして行く事をもう考えなくてはならない。そろそろ「ドン・ジョバンニ」の映像を観たり録音を聴いたりする事から卒業して、楽譜だけと向き合わなければならない時が来たのかも知れないな、と今日のレッスンで薄々感じ始めた。

最後に谷岡先生が非常に興味深い話をしてくれた。
「モーツァルトのオペラのエプロン役、スザンナやツェルリーナやデスピーナって、あんなに可愛らしく表現されているのは、男性の演出家の一種の願望や幻想みたいなものが大きいと私は思うのよね。だって、デスピーナなんて特に、役柄としてはオバサン向きよ!!!あんな若くて機転が利いて多少悪賢い女の子、いる訳無いじゃない!!!と私なんかは思うんだけどね。だから、あなたももう少し年を取って、というかオバサン化したらそういう先入観は取れて、自分のスザンナなりツェルリーナなり歌えるんじゃないかと思うのよ。ウィーンに行ってスザンナやツェルリーナは歌わないのか?とN先生に聞かれたら、正直に、勉強して歌ってみたけど楽しくないし合わないし苦しかったから駄目でしたっ!て説明しても良いと思うわよ」

ふ〜ん、そんなものなんだなあぁ、と思った。多少思い当たるフシがあるので結構笑えた。

今後はまた、ヘンデルのリサイタルに集中しなければならないのだが、少しづつドンナ・エルヴィーラの勉強も地道にやって行かなければならない。
ふう、疲れた。

過去のレッスン曲/本番曲

今日・明日は連休なのだが、ここの所のハードな勤務が響いてか超体調不良。明日は谷岡先生のレッスンなのだが、今日は体も超ダルダルで喉も不調なのでスタジオ練習は2時間で切り上げて帰って来た。頭痛もするので楽譜作りも厳しいし熱もあるので、自宅で雑用をした。

今年で声楽勉強を初めて10年になるので、ざっと今までレッスンを受けて来た曲と演奏会本番に乗せて来た曲を割り出して纏めてみた。

イタリア歌曲、レッスン曲36曲/演奏会18曲。
内訳:イタリア古典歌曲20曲/5曲
    ドナウディ歌曲 3曲/3曲
     トスティ歌曲 5曲/5曲
    ベッリーニ歌曲 6曲/4曲
   モーツァルト歌曲 2曲/1曲

イタリア・オペラ、レッスン曲35曲/演奏会16曲(アンサンブル含む)
内訳:モーツァルト13曲/4曲
    ベッリーニ 1曲/0曲
    カタラーニ 1曲/0曲
   ドニゼッティ 1曲/0曲
    ヴェルディ 6曲/3曲
    プッチーニ 2曲/2曲
     ヘンデル10曲/6曲
     グルック 1曲/1曲
  ヴィヴァルディ 1曲/0曲

ドイツ歌曲、レッスン曲51曲/演奏会24曲
内訳:   バッハ 2曲/ 1曲
     ヘンデル 1曲/ 1曲
   モーツァルト10曲/ 5曲
   ベートーベン 1曲/ 1曲
   シューベルト22曲/11曲
 メンデルスゾーン 3曲/ 2曲
    シューマン 5曲/ 1曲
    ブラームス 2曲/ 2曲
    ワーグナー 5曲/ 0曲

ドイツ・オペラ、レッスン曲3曲/演奏会2曲(アンサンブル含む)
内訳:モーツァルト 2曲/1曲
   ベートーベン 1曲/1曲

フランス歌曲・オペラ、レッスン曲3曲/演奏会2曲

ラテン語曲、レッスン曲7曲/演奏会1曲
内訳:ヴィヴァルディ 3曲/1曲
    モーツァルト 4曲/0曲

勿論この他にも、英語の曲や日本語の曲も歌っているのだが、クラシック音楽に分類されるのは上記のものだと思うし、曲を掘り返すのに疲れたので打ち止め終了。
こうやって改めて数えてみると、イタリア系とドイツ系の割合いとしては、歌曲とオペラに数の差ははるが、まずまずバランス良く勉強してるのかな〜・・・というカンジ。レッスンを受けている割には余り演奏会で歌っていないのがやっぱりモーツァルト。シューベルトは気合いを入れて勉強を始めてからまだ3〜4年だが歌っている割合いが非常に高い。今後はドイツ・オペラの割合いが増えて行くだろうし、モーツァルトのオペラの演奏会本番曲も増えて行くだろう。まだ殆ど手を付けていないヴェルディやプッチーニ、シューマンやブラームスも今後意欲的に勉強して行く予定なので曲数も増えるだろう。

やはり声質の問題は切り離せない。
ウィーンでは「リリコ」、日本では「リリコ・スピント若しくはスピント」と各先生方から評価されているので、これからもイタリア系とドイツ系、上手く使い分けて歌い続けていかなければならない。私の声質に関しては、根拠の無い自己判断では無く各先生方の客観的評価であるので、自分自身のレパートリーとしては多少広すぎるような気もしないでも無いのだが、これは頑張って努力して付いて行くしか無い。

10年間で、レッスン曲135曲、演奏会62曲歌った計算になる。勿論この他にも英語の曲や日本語のポピュラーな曲も結構歌っているし、何よりも上記の曲でも2〜3回繰り返して歌っている曲が結構あるのだ。イタリア古典歌曲、ヘンデルのオペラアリア、モーツァルトのオペラアリア、シューベルト歌曲などは結構繰り返し演奏会に乗せて歌っている曲が多い。10年間でこの曲数が多いのか少ないのかは私には判断しかねる。尤も、仕事に費やす時間が非常に多いので、もう少し体力的に負担の少ない職業ならばもっと歌えたのだろうか・・・???まあいいや。

そのうちホームページがアップ出来たら詳しい曲名まで掲載したいと考えている。
何度やり直しても一向にアップロード出来ないんだけど・・・・・・・・・・(滝汗)



   
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