本日は珍しく日勤の次の休日。ピアニストとの合わせだったのだが、前日が夜勤ではなかったので非常に体調が良かった。前回ピアニストとの合わせの時、合わせ前に2時間発声と曲の練習をしてから伺ったら、ピアニストとの合わせが1時間半ぶっ通しだったため最後は声が枯れてしまったので、今日はスタジオで発声練習を1時間だけ行ってからピアニスト宅にお伺いした。少し早めに駅に到着したので初めて歩いて駅からピアニスト宅に行ったのだが、通り道の団地の中道を1本間違えてしまいエラく遠回りしてしまい慌ててピアニスト宅に到着してしまった。自分のマヌケ
無論到着してすぐ合わせ練習開始(笑)最初は息切れしながベートーベンを歌っていたのだが、前日が夜勤でないという事でこれ程差が出るものなのか?と思うくらい回復が早く、2曲目のシューベルトの時には、
『大分良くなったじゃない!』
とピアニストから数少ないお褒めの言葉を頂いた(号泣)リサイタル目指して良かった〜と思わず涙が出そうになった。自分って単純バカ
今日の合わせ練習は比較的トントン進み、主に細かいチェックだけでピアノ伴奏に慣れるために、ピアニストも私も双方納得するまで繰り返し通し練習になった。
所が曲が【菩提樹】になった時、本日初、ピアニストからコメントが出た。ピアニストいわく、
『菩提樹のね、短調から長調に移った所ね、これ、ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウが言ってた言葉なんだけど、《魔王の魅惑》なんだって。気持ち良く歌い切るんじゃなくて、もっと静かに魔王が誘うように歌えたらいいわね』
と仰せになった。私は「もっとピアノ(弱く)で歌ったほうがいいですか?」と尋ねたのだがピアニストは、
『ピアノのじゃなくて、魔王が誘うように、誘惑するように、取り敢えず歌ってみて』
と言われたので、その部分をやり直して歌ってみた。初めての試みなので多少戸惑いながら少しテンポやリズムも不安定ながらも、どうやらピアニストには方向性を見出だして頂けたらしい。この方向性でリサイタル本番直前まで研究する事でピアニストと合意した。
結局1時間40分休憩無しで合わせぶっ通しで本日は終了した。いつもながらかなり集中力を要求されるためピアニストとの合わせが終了した後はかなり抜け殻のようになり、帰り道はクラゲのように漂いながら帰路に付くのだが、今日は多少体力も気力もあったためか帰り道に少し考えながらゆっくり駅を目指して歩いていた。