指摘が飛んで来る(超凹)やはり楽典やソルフェージュを勉強していないという弊害はこういう所で表れるのだろうか。
更にベートーベンのマルツェリーネのアリアに関しては、16分音符の捉らえ方が長すぎると指摘された。特にPiu Mossoからはテンポが早くなり、しかもリサイタルで歌ったテンポの倍は早いかと思われるテンポがN先生から要求された。16分音符と16休符が繰り返された後に2点G音が10拍以上要求される。N先生から『ブレスが足りなくなる事を途中で怖がらないで歌ってごらんなさい』
と言われたが、私が「もう既に歌う前からブレスは絶対に続かない、無理だ!と不安におののきながら歌っています」と答えたら、N先生もM先生も高笑いされた。最後のPiu Mossoをリサイタルの倍の速さで歌ったら途中ドイツ語が続かないかと内心ヒヤヒヤしたが、N先生から、
『最後のフェルマータまでritしないように』
との御指示で何とか歌い切った。かなりヤバかったのだがN先生もM先生も『このマルツェリーネのアリアは、リサイタル本番に乗せただけあってきちんと音楽を作って歌えている。普通ここまでアップテンポの曲にドイツ語をきちんと乗せて歌う事はプロでも難しい。あなたの努力の跡がちゃんと見える』
M先生からそのように言われてかなり驚いた。自分自身がプロの歌手でも難しい事をやっているなんて今までそんな事考えた事は無かった。プロなら出来て当たり前、そうとしか考えた事も無い。今日はここで時間切れかと思ったらN先生から、『次の曲、Ich liebe dichは?』
と尋ねられたので慌てたが歌う事になった。ベートーベン【我汝を愛する】のレッスン。まず出だしで止められる。N先生から、
『歌詞の言葉、Ichよりliebeの言葉の方が大事です』
と指摘された。ここまで繰り返されると肩を落とすしか無い。要するに、ドイツ語を話せないという事はこういう事なのかと痛感せざるを得ない。曲の前半16小節、これは日本でもリサイタル前に散々谷岡先生に指摘された事と同じ事をN先生にも指摘された。
『ドイツ歌曲は4小節ブレスが基本です』
4小節ブレスが続くだけ息を吸うのではなく、自分の体に入った分だけのブレスの量で4小節続くような声量と声の響きで歌わなければならないというのが、大原則。一度やり直して最初から歌い、16小節は持つか持たないかのブレスで何とか切り抜けて歌った。しかし、テキストの次のフレーズから最後までは一度も止められる事も修正される事も無く歌い終わった。