歌い終わった後でB先生が、
『この【こびと】の伴奏はベートーベンの交響曲第5に近い響きがある。だからシューベルトはいつもベートーベンの事が念頭にあったのではないでしょうか?』
と説明しながら【こびと】の後半の伴奏部分を弾いて下さった。恐らく、今B先生が御指摘されたような事は日本では学ぶ事は出来ない事かも知れない。
最後にB先生のシューベルト・スタンダード【野薔薇】をレッスンした。3日連チャン。最初は「こんな難易度の高い曲連日レッスンされるんなら一番最初に歌うんじゃなかったあぁ〜!」と後悔していたのだが、今では多分B先生がただ1曲だけこの【野薔薇】を3日間通してレッスンされたのには何かB先生の意図なりお考えなりがあるのだろうと思った。でもその理由をB先生に尋ねようとは思わなかった。まず私自身がこの短い3日間でシューベルト【野薔薇】と正面から向き合い取り組んだ事が自分自身にとって最も大切な事だったんじゃないかと何となく自然にそう得心した。シューベルト【野薔薇】を歌い終わってB先生が仰っしゃった。
『この3日間よく勉強しましたね。とても良くなりました。まだ完全ではありませんが、それはあなた自身が一番良く解っている事だと思います』
そうB先生が仰っしゃったが、その通り。この3日間のシューベルト【野薔薇】は始まりでしかない。
最後に私からB先生に質問した。今後も死ぬまでシューベルト歌曲の勉強はしていくのだが、私の声に合うとB先生が思われるシューベルトの歌曲を〔幾つか〕教えて欲しいと話した。するとB先生がシューベルト歌曲集第1巻を持って来て曲目を見ながら・・・・・15曲余り曲名を挙げた(誤爆)そしてB先生が一言、
『来年までにはこれくらいあなたなら勉強出来るでしょう』
と仰せになった(蒼白)はい???来年までに15曲???ちなみにB先生がウィーンにいらっしゃる時にはいつでも再レッスンOKを頂いた(号泣)でも来年まで15曲は流石に無理だが(超苦笑)それから2曲だけ私の方から尋ねた。「【魔王】は?」と私が尋ねたらB先生は少し考えて、
『【こびと】を歌えているので、勿論歌えるとは思うが、あなたの声に負担がかかる事を私は心配します』
と仰っしゃった。もう1曲私が「【若い尼僧】は?」と尋ねたら、やはりB先生は少し考えて、
『歌う事は出来ると思いますが【若い尼僧】は本来ワーグナーなどを歌う歌手が歌う曲です』
と仰っしゃられた。【若い尼僧】は谷岡先生から勧められている曲なのだが・・・・・。