その他のモーツァルトのレパートリーについてN先生に尋ねた。今までモーツァルトのオペラでレッスンを受けた曲は、【フィガロの結婚】のケルビーノもあるし、今までは【魔笛】のパパゲーナや【コジ・ファン・トゥッテ】のフィオルデリージなどもミルヒー先生から勧められているし、更にドラベッラのアリアなどもリクエストに上がった事がある。私自身【ドン・ジョバンニ】では、以前はドンナ・エルヴィーラに興味があったが今は寧ろドンナ・アンナに興味がある。これらの事をN先生に話したら、N先生は驚いた後に少し厳しい表情で、
『フィオルデリージとドンナ・アンナはドラマティック、ドラベッラはメゾソプラノ、ケルビーノやデスピーナやパパゲーナやブロンデはスーブレッドだから、あなたが歌うべき役柄ではありません。』
とかなりはっきり《No!》と言われてしまった。レパートリーに関しては予想以上に厳密な選別がされているのだと実感せざるを得なかった。
それではモーツァルト以外で私が勉強するべきオペラの役は???N先生に続けて尋ねた。
『ロルツィングのオペラ、マスネの【マノン】、ベルリオーズ【ファウスト】のマルガレーテ、ただしグノー【ファウスト】は駄目』
との事だった。
残念ながら、ロルツィングやマスネのオペラ、ベルリオーズ【ファウスト】等は映像は愚か録音すら聴いた事が無い。これは大変宜しく無いな、と反省した。日本に帰ったら谷岡先生やハリセン先生に相談してみなければならない。
バッハとヘンデルについて尋ねてみた。バッハはまずカンタータやシュメッリ歌曲集などの比較的小さな曲から始めるよう言われた。まだまだ到底受難曲など大曲は厳しい事は自分自身認識している。ヘンデルに関しては、現在谷岡先生やハリセン先生とは違う先生からオペラの勉強、とりわけ【エジプトのジュリアス・シーザー】のクレオパトラの勉強をしている事を少しだけ話した。N先生は楽譜を探してクレオパトラのアリアを見て、『ヘンデルはオラトリオなどもう少し小さな歌いやすいものを勉強した方が良いのではないか?』と話された。私は背伸びしすぎているという事なのだろうか???
ベートーベンについて尋ねた。今勉強した【フィデリオ】マルツェリーネの次に日本に帰国したらウェーバー【魔弾の射手】のエンヒェンのアリア2曲を勉強した後に、【フィデリオ】レオノーレの勉強をしたいと考えている事をN先生に話した。やはりN先生は少し厳しい表情になって話された。