さて後半。大人の部という事は分かっていたが、いざ演奏者は御高齢な方々ばかりだった(笑)まずこの年齢の落差に眠気が醒めた(笑)でも私自身の職業から考えても、これは非常に喜ばしい事である。指先の細かな動作は何より認知症状予防にかなり高い効果がある!!!と、いきなり話題が逸れたが、思わずワクワクしてしまった(爆)
が、聴いてビックリ!!!凄い。恐らく70〜80歳代と御見受けした。曲が、バルトーク・メンデルスゾーン・シューベルト・モーツァルト・ショパン・ベートーベン・ガーシュイン・・・・・etc。子供はまだブルグミューラーとかあったのだが、流石に度肝を抜かれた。まず、曲が進まない。度々同じ小節を繰り返し弾いてしまっている。一体いつこの曲は演奏が終わるのだろうかとハラハラドキドキしながら聴いた。特に私自身先日のリサイタルで歌ったシューベルト【セレナーデ】を弾かれたご婦人の時は他人事とは思えず超緊張して、ご婦人が曲を弾き終えた時には相当安堵した。夜勤明けの眠気は遥彼方太陽系外にふっ飛んだ(笑)
でもこれだけは確かに言えるという事が一つだけある。聴いていて本当にとっても楽しかった。ハラハラドキドキしながらいつ曲が終わるのか心配でも楽しかった。
聴いていて本当に楽しかった一番の理由。それは私にちゃんと伝わって来た。きっと難しい曲だけど、弾けてないけど、でも弾いている演奏者自身が、ピアノを弾く事がとても好きで楽しくて、弾いている曲が大好きで、どんなにか難しい曲で弾けなくても自分が今演奏している曲の、自分が大好きなこのフレーズを自分はこんな風に弾きたいんだ!!!という想いがホントに素直にストレートに私の心に届いた。だからこそ本当にハラハラドキドキしながらそれでも尚聴いていて本当にとても楽しかった。音楽を好きって、本当にいいなあぁ、と思った。
帰りにピアニスト先生とヴァイオリニストに御挨拶をして帰って来た。夜勤明けで流石に疲労困憊だったのだが何故か電車の中でも眠る事が出来なかった。何だか自分自身がとても貧しい心になってしまったような、もの凄く寂しい心に感じてならなかった。
自分自身、最近はリサイタルをこなしたりウィーンに勉強に行ったりなどかなり精力的に意欲的に歌の勉強をし続けている。でも私が、本当に歌が好きで本当に今自分自身が歌っている曲が大好きで、それを聴いてくれている人々にちゃんと伝える事が出来ているのか、ちゃんと伝わってるか、そのように歌えているか?