昨日ハリセン先生&谷間先生のお教室演奏会だった。久しぶりの本番、ウィーンから帰って来てからは初めての本番だった。演奏会に出る事は急遽決まったので歌う曲はシューベルト【トゥーレの王】1曲のみ。一度リサイタルで歌っている曲なので暗譜も出来ているし、前日喘息発作で多少体調は良くなかったが、声の調子は悪くなかった。本番前に2時間スタジオでゆっくりストレッチと発声練習をして会場へ向かった。会場は以前2度程歌った事がある小規模な練習室で、響きは悪くない。余り声を出そうとしなくても充分に響く。リハーサルで私の番になり舞台へ上がった。伴奏の谷岡先生に、【トゥーレの王】は前奏が無いので最初の音が欲しいと話したら、歌い出しの1音だけ弾かれた。でもその歌い出しの音を聴いても歌い出せなかった。声を出す事に少し戸惑った私は谷岡先生に最初の歌い出しの和を和音で弾いて頂くようお願いした。歌ってみた時、かなり自分自身の声の響きに違和感を感じた。音程が下がりやすい。上手く音がはまらない。かなり焦った。焦るとブレスが続かなくなる。どんどんテンポが遅くなる。途中歌詞まで一語間違えそうになってしまったが、何とかリハーサルを終えた。
リハーサルが終わって私がかなり深刻な顔をして立っていたら谷岡先生に声をかけられた。以前リサイタルで高声用のキーで【トゥーレの王】を歌った時と比べて余りにも歌った時の声の響きが違い、一瞬どうやって声を出したら良いのか解らなくなってしまった事をお話した。谷岡先生は、
『私も以前この曲を歌った時にあなたと同じように、どうやって声を出したら良いのか戸惑ってしまった事がある。でも落ち着けば大丈夫。N先生が、あなたの声が1メートル先くらいから声が出ていると思いなさい、とアドバイスされた事がある。だから落ち着いて』と話された。演奏会本番は3番目と比較的早かった。とにかく不安だったので、本当に珍しい事なのだが楽譜を持って舞台に上がった。譜面台は自分が見える位置には置かなかったけれど、余りに不安だったのでお守り代わりに楽譜を持って行った。結果は、リハーサルと余り変わらなかったが歌詞は楽譜を見なくても間違える事はなかった。考えて見ればリサイタルで高声用キーで【トゥーレの王】を練習していたのは4ヶ月間、ウィーンに行ってこの曲を中声用のキーに変更するようにウィーンのB先生にアドバイスされて中声用のキーに変えて練習を始めてからまだ1ヶ月半。