先日のモーツァルト歌劇【魔笛】パミーナの一件から暫く考えた。
結論として、暫くはモーツァルトのオペラの勉強は無期限で棚上げする事に決めた。
理由は幾つかある。
まずこのモーツァルトのオペラの役柄に関する声質や適性の問題はもう今に始まった事では無い、という事。2006年モーツァルトのメモリアルイヤーに、千葉で演奏会にモーツァルト歌曲2曲とオペラ【ドン・ジョバンニ】からツェルリーナのアリアを歌って大崩壊、ハリセン先生の元で暫くツェルリーナのアリアの勉強を続けたが、余りに辛かったためおよそ3ヶ月以上も楽譜を開かなくなってしまった時があった。その頃は、どんなに長くても20分程の演奏を本番で行い、しかも演奏会の申し込みも2〜3ヶ月前位で良かったしピアニストも特定してお願いしていなかった。しかし今現在は今年は既に後1回4曲演奏会で歌う事やリサイタルで9曲歌う事が決まっている。自分の都合だけでお断り出来る状況には無く、リサイタルに関してはもう会場も確保してある。自分自身のコンプレックスがどれ程深刻かつ重要な問題であったとしてもキャンセルは社会的・人間的信用や信頼関係に多大な損失をもたらす。だから楽譜を開けない状況は避けなければならない。
もう一つは、このコンプレックスに関する問題は飽くまでも自分自身の問題と責任である、という事である。私が声楽の個人レッスンを始めてからインターバルを外しても既に10年が経過している。自分自身の得意不得意や適性に関して今更初めて知った事はごく僅かである。確かにウィーンでパミーナも含めてモーツァルトのオペラのレパートリーがこれ程幅広く可能と指摘された事は初めてだが、それを日本でどのような感想を持たれるかは容易に想像出来た事だ。問題は誰かに何かを言われたり評価された事では無い事は余りにも明白であり、自分自身の意志とスタンスの問題である事には何等変わりが無いのだ。一時的に現実逃避やら自己逃避やらしてみたとしても、自分自身のコンプレックスが一切解決の日の目を見ない事は明らかだ。これは飽くまでも私個人の見解であり私自身にしか当て嵌まらない事だと思うので他の演奏者の方々には賛同をお勧めしないのだが、自分自身の致命的コンプレックスから逃げ続ける程の気力も根性も私自身持ち合わせていないので、自ら楽譜を閉じるような愚行を行う位なら今は敢えて全てのモーツァルトから手を引く、という選択の方が私的には余程前向きな事であると考えている。