次のリサイタルの曲目。イタリア歌曲&イタリア・オペラで行く事は決まっていたのだが、細かい曲の詰めで、ミルヒー先生と何度かメールで話し合いを行なった。

当初の予定では、ベッリーニ歌曲とヴェルディ&プッチーニのオペラ・アリアを歌いたいと考えていて、去年ミルヒー先生のレッスンで御相談申し上げたら、
「ベッリーニの歌曲もいいけど、ヴェルディの歌曲もいいわよ。そろそろ勉強してみたら?」
とゆ〜事で、ヴェルディの歌曲を選曲する事になった。
オペラ・アリアに関しても、ミルヒー先生から、
「モーツァルトのフィオルデリージのアリアは歌わないの?今折角レッスンしてるのに?」
と言われたが、ベッリーニ歌曲とヴェルディ歌曲、ヴェルディ&プッチーニのオペラ・アリアに1曲だけモーツァルトを入れるのは、少しバランスが悪いような気がした。そこで、モーツァルト「Cosi fan tutte」のフィオルデリージのアリア「Come scoglio」は、別の演奏会で単発で歌おうと考えていた。

そこで、年末年始の6日連続夜勤の間は患者さんの急変も多くて、疲労困憊で音楽の勉強や練習は流石に無理だったので、取り敢えずプログラム探し、オペラのCDを聴いたりDVDを観たりしていた。
そこで浮上した問題が、歌曲はいいとしても、オペラ・アリアに関してはヴェルディとプッチーニを同時に歌うのは私の声には重すぎる、負荷が掛かり過ぎるのでは・・・という事。
ミルヒー先生から、これから勉強するように御指摘頂いているヴェルディは「Il Trovatore」「Aida」「Un ballo in maschera」「Don Carlo」「Otello」などであり、プッチーニに関しては「La Boheme」のミミや「Turandot」のリューは、今は勉強しなくても良いのでは???と指摘されている。そうすると、選曲するにしても非常に重い役柄のアリアを何曲も歌う事になる。
今回絶対に勉強して演奏会で歌う事に挑戦したかったのは、プッチーニ歌劇「Turandot」のトゥーランドット姫のアリア「In questa Reggia」である。これは前回のブログでも述べたが、レパートリーとして長々と歌うために今回取り組むワケでは無い。飽くまでも今の現時点での自分の声帯と発声を出来る限り強く鍛えるというのが一番の目標なのである。
2013年には、ヴェルディ生誕200年のメモリアル・イヤーが来る。その時にこそ、「Il Trovatore」「Aida」「Don Carlo」「Nabucco」「Macbeth」などを歌えるようになっていなければならない。
同じ2013年は、ワーグナー生誕200年のメモリアル・イヤーでもある。ウィーンの先生方からワーグナーに関しては、「Only study, Not concert!!!」と言われているが、実のところ最近少し迷っている。ウィーンでのレッスンで、シューマン歌曲や、特にシューベルト歌曲のレパートリーとして認められるようになった曲で、ドラマティックな曲が少しづつ増えている。それを考えると、せめてワーグナーの勉強だけでもしたい!!!でもそれには、今の程度の声の強さと勢いではまだまだ全く足りない。

そこで考えた事が、ヴェルディはいずれ2013年にメモリアル・イヤーがあるのでその時に歌う事にして、今回はオペラ・アリアに関してはプッチーニに統一しようと考えたのである。兎に角、「Turandot」の「In questa Reggia」はリサイタルの最後に歌うだろうから、その前に歌うプッチーニのアリアは出来る限り重く歌わないような選曲にしたい。そう考えて選んだのが「蝶々夫人」から「Spira sul mare」「Un bel di vedremo」と「Manon Lescaut」から「In quelle trine morbide」だった。一応楽譜も作り、蝶々夫人に関しては先日購入したCDもあり、譜読みも開始していた。

そこで、先日ミルヒー先生に次のリサイタルの曲目をメールで御報告した所、
「プッチーニのアリア4曲よりも、プッチーニの歌曲を入れたり、ヴェルディ仮面舞踏会のMorro, ma prima in graziaなどはどうですか?今せっかく(発声が)良くなって来ているところなので」
との御返事!!!!!私もMETのレヴァィン指揮、パヴァロッティ、アプリーレ・ミッロ、レオ・ヌッチ出演のVHSを購入して去年DVDにダビングしたものはあるし、楽譜もリコルディ布製ハードカバーのヴォーカル・スコアは持っているので勉強は出来るが、まさかここで「仮面舞踏会」アメーリアのアリアがミルヒー先生から飛び出して来るとは予想だにしていなかった。非常に、ドン引き(激爆&滝汗)
ここで相当悩んだ。折角ミルヒー先生から、アメーリアのアリアのようなドラマティックな曲を勧めて頂いて、こんなに良い勉強のチャンスは是非とも活かさなければならない。しかし、ではプログラムをどうするか・・・・・・・・・・(激悩)
プッチーニ「Turandot」だけは今回何としても是が非でも、挑戦したい。その旨はミルヒー先生にもお伝えしてある。しかし、アメーリアのアリアにトゥーランドットのアリアと続くと、これは他のアリアを重くは出来ない。長めの曲でも重く歌わない曲、若しくは多少重めでも短くて余り高音域の多く無い曲。
歌曲4曲、オペラ・アリア4曲を基本に考えているので、そのラインは崩したくない。

そこで5日間知恵を絞りに絞って考えた。
結局歌曲は、ベッリーニ歌曲2曲「La Farfalletta」「Il fervido desiderio」、ヴェルディ歌曲2曲「Stornello」「In solitaria stanza」
オペラ・アリアはモーツァルト歌劇「Cosi fan tutte」からフィオルデリージのアリア「Come scoglio」、ヴェルディ歌劇「Un ballo in maschera」からアメーリアのアリア「Morro, ma prima in grazia」、「Don Carlo」からエリザべッタのロマンツァ「Non pianger, mia compagna」、プッチーニ歌劇「Turandot」からトゥーランドットのアリア「In questa Reggia」
に決めて、今朝、朝一番でミルヒー先生にメールで御報告した所、無事御許可戴いた〜〜〜\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
ミルヒー先生から、
「コンサートの曲目、いいと思いますよ」
と一言書かれていた・・・・・う、嬉しい・・・・・・・・・・(滝涙)
これでよ〜やく一段落・・・・・・・・・・^^;
曲目が決定したので、後は勉強と練習あるのみ。
ポイントは、アリアで一番初めに歌うモーツァルト「Come scoglio」でどれだけ自分の発声を良い状態に調整出来るかに掛かっていると言っても過言ではない、と真面目に考えている。
私にはどうしても声を押し出ししてしまう悪い癖がある。特に、演奏時間が長くなり身体的に疲労状態になってくると、声を押し出ししてしまう傾向にある。この悪癖を修正しないと、声帯や声量を無駄に浪費する事になり、声帯を鍛える所か却って悪循環になってしまう。声を押さなくとも声量はあるのだから、如何にベルカント発声で響く声を作り上げて行く事が出来るかで、今後のリサイタルの成否が掛かっているといっても良いだろうと考えている。

取り敢えずは、なるべく喘息発作を起こさないように・・・と言ってもこれは非常に難しい(溜息)
後は、教授の呼吸法をガッツリ行なって行くしかないか、今の所は。
課題難題は多いけど、少しづつクリアして、来年、再来年に繋げて行けるような演奏が出来るように、頑張ろうと思う!(^^)!